「知っている曲」を増やしていく楽しみ

自分の好きな曲だけレッスンを受けたい、
あるいは子どもが知っている曲だけ
レッスン受けさせたい、
多くはありませんが時々そのような声を
お聞きすることがあります。

ピアノを習う前のごく普通の
4,5歳頃のお子さんに
何曲知っているか数えてもらうと、
幼稚園で習った曲やアニメ曲など
だいたい5～10曲ほど。
まだまだ「知っている曲」を
増やしていきたい段階です。

新しい曲に出会うことは、
旅すること、また新しい本や
映画に出会うことにも
似ているように思います。
扉を開けばそこに新しい世界が広がっていて
それぞれのストーリーがあり、
さまざまな思いが込められていたり
歴史的な背景があったりします。
只々楽しいと思う作品もあれば、
深く考えさせられる作品もあります。
時に人生に深く語りかけてくるような
言葉や価値観との出会いもあり、
それらは私たちが生きていく上での
心の糧となっていきます。

子どもたちは大人が思うほど
新しいものに抵抗がなく、
むしろ好奇心を持って
臨んでくれることが多いです。
新しい気付きがあった時の
子どもたちの瞳の輝きは格別なものがあります。
知らない曲だからと切り捨ててしまうのは、
その経験を奪ってしまうことになり、
大変もったいないと感じます。

受験など特別な事情があればまた
話は変わってきますが、
通常は好きな曲だけを弾いていても
なかなか力はつきませんし、
応用も利きません。
結局一曲も仕上がらなかったり
完成度の低いものになってしまったりするなど、
近道をしようとしてかえって遠回りになる
パターンに陥りがちです。
技術、知識、そして自分で
練習する力がついてくれば、
自分の好きな曲は弾けるようになります。
そのような、音楽を楽しむために必要な
力をつけていくのがレッスン、
そして日々の練習と言えます。
これらは大人にも子どもにも言えることです。

ピアノやエレクトーンのレッスンでは
様々な年代や作曲家の曲を通じて
それぞれの解釈や弾き方を
学んでいくのが一般的です。
多くのカリキュラムがそのような構成に
なっていることには理由があります。
「知っている」。
そう自信を持って言える曲を、
一曲、一曲と増やしていきましょう。
その先に広がる豊かな音楽の世界の中に、
好きな曲を存分に演奏するご自身や
お子さまの姿があるはずです。






坂本ピアノエレクトーン教室 fleur
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