休日の午後を優雅に

婚約者がピアノを弾くことを知って、『休日の午後、彼女のピアノ演奏に耳を傾けつつ、ひだまりで、コーヒー片手に優雅に読書』を夢想した。

結婚し、アップライトピアノ（結婚当初、社宅の部屋は狭くグランドピアノは入らなかった）が運び込まれ、彼女がピアノに向かい合った。

なんだ？
どうした？
米軍戦闘機のスクランブル発進？
ピアノの一音一音が部屋の中で響き反響し、床と壁をビリビリと揺らす。
音・音・音・音の爆風。
爆音？

ブツ・ブツと小節毎に演奏はブツ・ブツと断ち切られ、同じフレーズが何度も繰り返される。
ピアノの演奏曲じゃない！！
ピアノという箱から発せられ、部屋の中を荒れ狂い振動する、音・音・音。

夢破れて、早々に退散。
（とても本なんて読めない。）

その後、家を建てたのを期に、防音室と言う名の、ピアノ隔離部屋を作りました。