余白を持つこと

お盆が過ぎて涼しくなったと思っていたら一転、今週は暑くなりそうですね。
着るものに悩む毎日を送りながら、少しずつ秋になっていくのでしょう。
気温の変化の激しい折、皆様どうぞお体ご自愛ください。

さて、学校が始まり、大人も子供も忙しい毎日が戻ってきました。
息つく暇もなく、気がついたら季節が過ぎていた、という方も多いかもしれません。
でも、忙しいということは充実していることの裏返しでもありますので、悪いことではないんですよね。
それでも、日々の中に小さくても「余白」を作れたらいいなと私は思っています。





余白」には、勉強や仕事・家事など、必要なこと生産性のあることは入りません。
ただ何もしない時間。ぼんやりとする時間。ごろんとする時間。
無駄とも思えるその時間に、実はとても大切なものが詰まっているような気がするのです。
日々忙しなく動いている体と心に、すっと隙間が入ってくる。少し立ち止まってみる。
そうすると、何かが整ったり、普段は思い浮かばないようなことが浮かんできたり、自分の感じていることがよく見えてくるんですね。
でも、そんなふうに何かが浮かんでこなくても別に構わないのです。
無駄な時間があることで、心が一息つけるからです。

ピアノを教えるようになって、なおのこと「余白」は大事だと思えるようになりました。
生徒さんたちが何かに挑戦した後、その努力の成果が表に現れるのには実はかなりのタイムラグがあります。
取り組んだことが生徒さんの中に定着するまでに、整理し、熟成させる期間が必要なんですね。
そのために必要なのが「余白」です。
練習やレッスンなどの生産性のある時間とともに、余白が、生徒さんの心と生徒さんが頑張って取り組んだ物事を育ててくれるのです。

ただインプットし続けることが、伸びる近道ではありません。
心に「余白」を持つこと。
無駄を持つゆとり。
そういうものを大切にしていけたらと思っています。



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