海外在住、帰国子女の生徒さんへのレッスン

様々な指導環境を経験して

大学生の頃に初めて生徒さんを教える経験をしたのは、桐朋の弦楽科で受験した地元の後輩の副科ピアノと、近所のお子さんたちでした。その頃はまだ経験が浅く、特に小さなお子さんを教える方法については不安もありました。若くて20歳になったばかりの学生でしたので、今とは全く違うレッスンだったと思います。

1998年にアメリカに渡ってからは、1年ほどして友人のお子さんを教える機会があり、その後2010年に本格的にスタジオを立ち上げるまで、様々な場所で指導を行いました。アメリカではヤマハのようなお教室で教えたり、訪問レッスンを行ったり、指導環境も多様でした。

家族で戸惑う帰国後の生活

20数年をアメリカで過ごし、日本に戻るとは夢にも思っていなかったので、息子の日本語教育はあまり徹底していませんでした。アメリカの生活が私には合っていたので、いつかはアメリカ人に帰化することも考えていました。けれども、夫の仕事の関係で急に日本に引っ越すことになり、「社会人」や「保護者」の立場、大人として初めて日本で生活することになったのです。

アメリカではのんびりとしていて、なんとかなる精神で生活してきたので、日本のきちんとした仕事ぶりにはかなり緊張しました。賃貸の事情も違い、病院のシステムも全く知らないことばかりで、聞くと変な顔をされることも恥ずかしかったです。学校やお稽古事のお母さんたちにも、「この人、言動が変だ」と思われているのではないかと心配しました。

日本から来た生徒

数年前、スタジオが安定した頃の話です。美容室でピアノを教えている話題になり、美容師さんのお知り合いで日本から来たばかりの中学生のお子さんについて話が進みました。その生徒さんは家族と一緒に渡米したものの、英語がわからず、心の支えになるのはピアノだけだったとのことでした。美容師さんから「ぜひ会ってほしい」と言われ、体験レッスンに来てくれました。生徒さんは現地の高校に通っており、とても優秀でしたが、突然の海外生活は想像以上に大変なものだったでしょう。その大変な毎日を癒してくれるピアノがもっと上達するように、日本語でレッスンができればという思いで、私のスタジオに通うことに決めたのです。

その生徒さんは滞在期間中に自信を取り戻し、日本に帰国する頃には大きく成長していました。日本に帰ってからは、その生徒さんと自分の息子に共通点を見出し、二人の姿が重なって見えるようになりました。

少々長くなりますので、続きはブログで是非！
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