♪♪　涙を流して帰った女の子　♪♪

１週間前のレッスンでのことです。学校から急いでレッスンにかけつけ、いつも通りのレッスンをしました。
ソナタを練習していますが、長い曲でもあり、難しくもなっています。
できない箇所を何度も何度繰り返し練習をしましたが、なかなか満足がいくようには弾けませんでした。

レッスンが終わり、楽譜をしまい出席カードにはんこを押しているとき、ふと、その子をみるとぼろぼろと涙を流しているではないですか？　怒ったわけでもなく、無理な要求もしていないつもりでしたし、部活や勉強で忙しいのはわかっているので時間があるときは練習してくればいいよくらいに話をしていたのですが・・・・でも、帰り際、涙を拭いて元気にさようならと挨拶をして行きました。

その子が涙を流したのは中１の時１度。それまでは、けっこう弾けたのですが、中学校に行って環境が変わった時に、なかなか思うようにピアノが弾けなくなり、悔しさのあまり泣きながらピアノを弾いていたことがありました。その時のことを思い出し、今週のレッスンは大丈夫かなと不安な気持ちでいたところ、

「こんばんは」と元気な声と共にレッスンをスタート。ソナタを弾き終わり、レッスン修了後、小学５年生頃に弾いた曲を、全曲弾きたいという話になり、ほっとしたと同時にうれしくなりました。学校生活とピアノとあとさまざま考えることが多くなればなるほど、いっぱいいっぱいになってしまうのでしょう。そんなとき、がまんをせず涙を流せる場所になっているのであれば、心のケアも含め、音楽が癒しになってくれればと思いました。