恩師の退官パーティー

先週末は気持ちの良い秋晴れの中、
私の恩師であるT先生の退官パーティーに出席してきました♪

先生との出会いは私が中学2年生の頃。
それからずっと大学を卒業するまで、10年近く先生のもとで歌を勉強しました。
高校～大学へと進むにつれ、遊びを優先することが多くなり、
決して真面目とは言えなかった私。
自ら楽曲を掘り下げて考えたり、歌詞の意味を追求したりすることもせず、
ただただお気楽に歌っていました。
もちろん歌うことは楽しかったし、先生のレッスンは大好きでしたョ。
でも…。大学生とは思えないほどに当時の自分はあまりにも子供でした。（恥）

そんなダラッとした生徒でしたが、先生はいつも優しく見守ってくれました。
レッスンでの厳しい指導もあったと思うけど、それはほとんど覚えていません。
覚えていることと言ったら、「（Kikki）ちゃん、（Kikki）ちゃん」と
いつも私を下の名前で呼び、とにかく可愛がっていただいた、という記憶。
また、お悩み相談、人生相談など、親身になって話しを聞いてくださり、
応援＆励ましをくださった、ということ。

きっと「もっとやる気を出しなさい！」と、お尻を叩きたかったと思います。
「この子は一体いつ本気を出すんだ？」と、私のレッスンに対する熱意みたいなものを
ずっと待っていてくれたと思います。
でも先生はマイペースな私（←良く言い過ぎ？）をそのまま受け入れてくださいました。
結局、私はのほほ～んと大学生活を終え、そのまますぐに結婚。（苦笑）
先生からたくさんのご指導を頂いたにも関わらず、
それを「熱意」として伝えることや、学生時代の「成績」として残すこともなく、
また、その後「立派な音楽家」になったわけでもなく、
先生に何も「お返し」ができないまま今に至っています。

でも、先生が私という人間を尊重し、優しく温かく見守ってくださったおかげで、
私は自分のペースで音楽と向き合うことができ、細々ではあるけれど
これまでずっと音楽を続け、音楽に対する想いを深めることができています。
先生が教えてくださった「歌の心」というものを、今も大切に育て続けることができています。

私が今、ピアノのレッスンにおいて、
ただただ指が回るピアノ演奏や、「すごい」と言わせる技術重視の演奏ではなく、
「歌心があるピアノ演奏」を目指すのは、T先生の教えが根底にあります。
先生から教わったことを大切にしつつ、これから先も
「音楽の素晴らしさ＆楽しさ」を少しでも多くの方に伝えていこう！
そう思っています。

パ－ティーの最後、先生が「落葉松」を歌われました。
私の大好きな曲。変わらない先生の美しい歌声。
先生との思い出がたくさん蘇り、演奏に耳を傾けながら胸が熱くなりました。
出席した門下生全員、同じような気持ちで聴いていたと思います。
とても素敵なパーティーでした。

T先生
長い間、ご指導ありがとうございました。