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コンクール指導の難しさについて

 第15回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA が終わりました。当音楽院からは小学生3・4年生部門にYちゃんがチャレンジし、地区大会で銀賞を受賞、去る1月3日に全国大会に出場しましたが、そこでの感想等を交えながら、レポートをさせて頂きたいと思います。

 全国大会当日は朝1番の演奏グループであったため、コンクール本番当日の恒例の音楽院ホールでのリハーサルは、早朝5時50分から40分間行い、早々と6時半には車で出発し、会場入りしました。
 本番では久し振りに緊張で足が震えたとの事で、実力が出し切れるかどうか心配されましたが、冒頭こそ少し硬さが見られたものの、徐々に調子が上がって行き、ほぼ練習通りの演奏が出来たように思いました。

 結果はアジア大会進出の為の条件である奨励賞には及ばず、選外となってしまいましたが、本人も指導者の私もそこそこ実力は発揮できたのではないかと感じていたので、少し残念な結果となってしまいました。
 ただ冷静に振り返ってみますと、二つ気になったことがありました。

 ミスは殆どありませんでしたし、指さばき等のテクニックにおいてはむしろ良い方の部類だったと思うのですが、主に強弱をPで表現したかった所で、音が薄いというか遠いというか、十分に響きが得られていなかったことです。その事については流石だと思った出場者が沢山おりましたので、まだまだ奏法の研究、そしてホールでの演奏経験を積み重ねていかなくてはならないなと、深く感じさせていただきました。

 もう一つは曲の解釈についてですが、発表会ではなくコンクールなので、自分の好みよりも楽譜に書いてあることに忠実にとの方針で当初レッスンを進めてきたのですが、やはり途中から我慢できなくなって、指導者の私の個性が前面に出てしまい、少し生意気なところが演奏に出てしまっていたのではないかと思います。結果として審査する側の求めているショパンとは少しずれていたのだろうと思います。
 まだ小さいのですから、指導者サイドの考えとは別に、オーソドックスさの中にシンプルな美しさを求め、ショパンの音楽を前にして、素直に謙虚に学ぶ姿勢が足らなかったのではないかと、今では少し反省している所です。

 ただいろいろなピアニストのCDを聴き比べてみますと、本当に十人十色でそれぞれ素晴らしく、自分もそうありたいなと願うものですが、Yちゃん自身が学び成長していく中で、深い見識を持ち、許容される範囲の中で、本心からの心の歌を歌った時に初めて、自身もそうなることができると思うので、共に謙虚な学びを深めつつも、その事だけは忘れずに伝えていかなくてはと思っています。
 自分が美しいと感じる事に対して純粋で正直で嘘をついてはならないという事は、芸術にとっては根本的な命題です。しかしその一方では、自分を空しくし、作曲家と向かい合わない限り、作曲家の心を追体験し感じ取ることは不可能であることもまた真実でしょう。そこが指導においても、一番難しい所なのです。

 今回の結果は指導者の私にとって、色々と考えさせられるものとなりました。決して下手な演奏であったわけではありません。ただもう一度初心に戻って、もっと一杯勉強してみたいという気持ちに、改めてならせて頂く事ができました。
 正直ダメージがないといえば嘘になりますが、やはりそれでも、私は出来レースではなく真剣勝負の方が好きです。それは良い時もそうでない時も必ず学びが有り、結果的には成長することができるからです。

 Yちゃん、精一杯の努力をしたことに誇りを持ちましょう。先生はもっともっと勉強したいと思います。来年こそ、満面の笑顔を共に実現できますように。どうもありがとう。


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