日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

食中毒?

モーツァルトの死因をめぐって多くの説があり、未だ、真相が解明されていないことは、皆さんよくご存知ですよね?

私は2001年の6月に、朝日紙が報道した「死因トンカツ説」についてのニュースを、即日中に聞きました。たまたまその日に、一緒におられた音楽学の某教授が、その記事にいち早く目を留められて、その場に居合わせた人々に話されたからです。

その記事の内容は次のようなものでした。

≪音楽愛好家でもあるアメリカの医師が、内科学会で発表したところによると、最晩年のモーツァルトの手紙にある「モーツァルトが豚カツを食べた」との記述をもとに、当時流行していた寄生虫病との関連つけると,伝えられる病状と符合することが判明した。即ち、モーツァルトの死因は、生煮えの豚カツを食べたことが原因による寄生虫病によるものである。≫ 

しかし、たった一通の手紙を根拠に、死因を特定することには無理があったようで、2009年には、「風邪を引いた際、血液を抜き過ぎたため」との「新たな死因説が浮上するのを許すこと」になってしまいました。(当時は、風邪を引くと血を抜く習慣があったそうです。)

同作曲家の死因の謎については、後日お話しするとして、実は、私のブログを読んで下さっている方から、最近、上記新聞紙上で用いられた「豚カツ」という表現に疑問があるといった質問を受けました。

「とんかつ」の語源をさかのぼると、フランス料理の「コートレット」(cotelette)に行き当たります。コートレットとは、子牛、羊、豚などの骨つき背肉(ロース)のことですが、日本人に発音しやすいように、「カツレツ」と呼ぶようになりました。1860(万延元)年に出版された福沢諭吉の『華英通語』には、すでに「吉列(かつれつ)」との当て字が登場しているのですが、「肉の切り身」または「ミンチ状のものを成形したもの」という意味であって、元はレシピ名ではないのです。

フランス料理で、「アングレーズ(イギリス風)」といわれる調理法があり、「パン粉を付けてバターで焼く」というのもその一つで、これが所謂「フライ」や「カツ」の原型にあたります。

「ポークカツレツ」の「ポーク」がのちに、日本語の「豚(とん)」に言い換えられて、「とんかつ」になったわけですが、肉厚のポークカツレツ、つまり「とんかつ」が、日本で初めて売り出されたのは1929(昭和4)年になります。

ここで、「モーツァルトの死因を扱った新聞記事に用いられた用語」という最初に問題に戻りたいと思います。

彼が食した料理は、恐らく「ウィーン風コートレット」であったと思われますから、「トンカツ」という表現は誤りであると言えます。「パン粉が使われていたか」さえ疑わしいです。そうなると、これはもう全く別の料理ですね。

「フライ」は英語起源(deep fry)、「カツレツ」はフランス語(cotelette)に由来する言葉ですが、日本においてはいずれも「和製外国語」になってしまっていますので、現在、分類は難しく、調理法の詳細については、あまり気にしないで、お好きな料理を召し上がるのが良いと思います。

モーツァルトの死因になったかも知れない寄生虫や菌についてですが、日本の飲食店では2011年まで「71度で1分以上加熱することによって死滅する」という基準が定められていました。ところが同年「63度」に引き下げられたため、外食をすると「豚肉の一部にピンク色の部分が残っているまま提供されること」を経験なさった方もいらっしゃると思います。

レア状態の方が、見た目の良さと柔らかな味わいがあるように思いますが、反面、食中毒の可能性が増加するので、私は自分で料理するときには、充分に加熱することを選択しています。

食中毒になりやすい季節ですので、特に気をつけましょうね!


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓
↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント