中世の発明品は「サンタクロース」と「パスタ」?!
キアラ・フルゴーニ女史(1940年生まれ。元ローマ大学教授。)によって書かれた「中世の発明品・普及品」のリストの中には、「サンタクロース」「トランプ」「ベルト」「とんがり帽子」「フォーク」「取り外し可能な袖」「メガネ」「パスタ」などがあり、大変面白いものです。
この「リスト」については、「軽やかなユーモアとともに書かれた中世の発明辞典」と評している新聞もあるほどです。
さて、142ページほどから成るこの書籍「中世の発明品リスト」の中に、「四線譜 ( tertagramma )」という項がありました。
「ドレミファソ ( 最初は、ウトゥレミファソラだった ) を考案したグイード・ダレッツォGuido D'Arezzo(992年から1000年頃出生、1050年から1080年頃没)は、四線譜 ( tetragramma ) を考案するなど、音楽教育者に熱心でした。
彼はベネディクト派の僧で、フェッラーラ近郊のポンポーザ ( Pomposa ) にある修道院に滞在中、聖歌隊に正しい音階を教えるのに大変苦労をし、正しい音階を即座に理解できるよう音符を生み出したといわれています。
それ以前の音程把握の手段と言えば、「モノコード」と呼ばれる一弦の楽器を調整することだけだったようです。
彼の「音符発明」は他の修道僧たちの嫉視の的になり、僻地とも言えるアレッツォに送られてしまいます。ところが、彼の代表的論文である「ミクロログス ( Micrologus ) 」はこの地において書かれ、彼を献身的に支えたテダルド大司教 ( Vescovo Tedaldo ) に捧げられることとなるのです。
グイードは「楽譜の重要性」を特に強調して、四線譜 ( Tetragramma ) を定着させました。
当時の音符は四角い形をしていましたが、音符が赤か黄色であれば半音を、黄色か緑はド、赤色はファというように、「聖歌隊員が新曲の練習を始める際に分かりやすいように」と、大変工夫されていました。(現代の、色音符に似ていますね!)
さて、このグイド・ダレッツォこそが、「ドレミファソラ」を発明した人であります!
8世紀ごろから存在していた「聖ヨハネ賛歌 ( Ut queant laxis ) 」を編曲して、歌詞の初めのの文字、すなわち「Ut Re Mi Fa Sol La 」をもって、現代の「ドレミファソラ」としたのです。
下記がその歌詞になりますが、「中世版・ドレミの歌」です!
Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum
Solve polluti
Labii reatum
Sancte Johannes
訳:あなたのしもべが
声を上げて
あなたの行いの奇跡を
讃えられるよう
この穢れた唇から
罪を遠ざけて下さい
聖ヨハネよ
イタリアでは1635年以降、最初の「Ut」が「Do」へと変わりました。(フランスでは今でもこのままです。)
ですから、「ドレミファソ」は、17世紀以降に出来たということになりますね。
ただし、最後の歌詞「Sancte Johannes 」から「Si (シ)」が生まれたのは15世紀ですよ。
グイードは、更に「グイードの手 ( Mano guidoniana ) として知られている音楽の習得方法を生み出しました。実は、これは彼自身の発明ではなかったのですが、元々あったこの「左手を使う音楽習得術」を改良し、広く普及させた功績の大きさゆえに、「グイードの手」という習得法が、音楽史に名を刻むようになったのです。
モンテカッシーノ修道院の図書館にある11世紀後期のミニアチュールに、「グイードの手」の手引書が現存しています。
それによると、この習得術は、左手の指先や指の関節を使ったもので、親指の先が「Ut」、つまり「ド」になります。反時計周りで螺旋のように音階を上げていくもので、これは、当時、聖歌隊で練習する人々にとっては、「朗報」とも言えるほど効果的な方法だったそうです。
グイードに関する諸説は多々ありますが、事実確認できる文献が少ないため、伝説として後世に受け継がれていった話の方が多いような気がします。
ほとんどのピアノ教室には、「譜読みの苦手な生徒さん」がいらっしゃると思うのですが、私のところでは、就学前のお子さんには、色や形で音符を識別させるなど、「現代版・グイードの記譜法?!」なるメソッドを採用しています。
しかし私は、時期をみて「ソルフェージュ」「聴音」「初見演奏」など、丸い玉だけで書かれたモノクロの楽譜そのものから、情報を読み取る能力を身につけられるような訓練に移行する方が良いと考えます。
特に「聴音」は、演奏者(教師の弾奏、CDの録音演奏など)と同じスピードで、生徒が記譜するわけですから、大変効果的と言えます。また、「初見演奏」については、「練習をしないということを鉄則にする」と意味を持ちます。「即興演奏」に関しては、自分の弾いた音楽を「五線譜に書く」ということを推奨しています。「ワークブック」は一度にたくさんやるのではなく、毎日少しずつ進める方が効果的です。
先日「移動用に、もうひとつマグノーティックス(当教室オリジナル・譜読みトレーニングボード)が欲しい!」と、追加注文をされた生徒さんがいらっしゃいます。薄いボードですので、そのように「バッグ」の中に入れるなどして、日常的にご利用頂けるのであれば、これも大きな効果を期待できるグッズです。(マグノーティックスは、他教室の先生や生徒さんも、お求め頂くことが出来ます。)
それぞれのライフスタイルに最も合ったやり方で、楽譜と仲良くなれる方法を見つけて下さいね!
この「リスト」については、「軽やかなユーモアとともに書かれた中世の発明辞典」と評している新聞もあるほどです。
さて、142ページほどから成るこの書籍「中世の発明品リスト」の中に、「四線譜 ( tertagramma )」という項がありました。
「ドレミファソ ( 最初は、ウトゥレミファソラだった ) を考案したグイード・ダレッツォGuido D'Arezzo(992年から1000年頃出生、1050年から1080年頃没)は、四線譜 ( tetragramma ) を考案するなど、音楽教育者に熱心でした。
彼はベネディクト派の僧で、フェッラーラ近郊のポンポーザ ( Pomposa ) にある修道院に滞在中、聖歌隊に正しい音階を教えるのに大変苦労をし、正しい音階を即座に理解できるよう音符を生み出したといわれています。
それ以前の音程把握の手段と言えば、「モノコード」と呼ばれる一弦の楽器を調整することだけだったようです。
彼の「音符発明」は他の修道僧たちの嫉視の的になり、僻地とも言えるアレッツォに送られてしまいます。ところが、彼の代表的論文である「ミクロログス ( Micrologus ) 」はこの地において書かれ、彼を献身的に支えたテダルド大司教 ( Vescovo Tedaldo ) に捧げられることとなるのです。
グイードは「楽譜の重要性」を特に強調して、四線譜 ( Tetragramma ) を定着させました。
当時の音符は四角い形をしていましたが、音符が赤か黄色であれば半音を、黄色か緑はド、赤色はファというように、「聖歌隊員が新曲の練習を始める際に分かりやすいように」と、大変工夫されていました。(現代の、色音符に似ていますね!)
さて、このグイド・ダレッツォこそが、「ドレミファソラ」を発明した人であります!
8世紀ごろから存在していた「聖ヨハネ賛歌 ( Ut queant laxis ) 」を編曲して、歌詞の初めのの文字、すなわち「Ut Re Mi Fa Sol La 」をもって、現代の「ドレミファソラ」としたのです。
下記がその歌詞になりますが、「中世版・ドレミの歌」です!
Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum
Solve polluti
Labii reatum
Sancte Johannes
訳:あなたのしもべが
声を上げて
あなたの行いの奇跡を
讃えられるよう
この穢れた唇から
罪を遠ざけて下さい
聖ヨハネよ
イタリアでは1635年以降、最初の「Ut」が「Do」へと変わりました。(フランスでは今でもこのままです。)
ですから、「ドレミファソ」は、17世紀以降に出来たということになりますね。
ただし、最後の歌詞「Sancte Johannes 」から「Si (シ)」が生まれたのは15世紀ですよ。
グイードは、更に「グイードの手 ( Mano guidoniana ) として知られている音楽の習得方法を生み出しました。実は、これは彼自身の発明ではなかったのですが、元々あったこの「左手を使う音楽習得術」を改良し、広く普及させた功績の大きさゆえに、「グイードの手」という習得法が、音楽史に名を刻むようになったのです。
モンテカッシーノ修道院の図書館にある11世紀後期のミニアチュールに、「グイードの手」の手引書が現存しています。
それによると、この習得術は、左手の指先や指の関節を使ったもので、親指の先が「Ut」、つまり「ド」になります。反時計周りで螺旋のように音階を上げていくもので、これは、当時、聖歌隊で練習する人々にとっては、「朗報」とも言えるほど効果的な方法だったそうです。
グイードに関する諸説は多々ありますが、事実確認できる文献が少ないため、伝説として後世に受け継がれていった話の方が多いような気がします。
ほとんどのピアノ教室には、「譜読みの苦手な生徒さん」がいらっしゃると思うのですが、私のところでは、就学前のお子さんには、色や形で音符を識別させるなど、「現代版・グイードの記譜法?!」なるメソッドを採用しています。
しかし私は、時期をみて「ソルフェージュ」「聴音」「初見演奏」など、丸い玉だけで書かれたモノクロの楽譜そのものから、情報を読み取る能力を身につけられるような訓練に移行する方が良いと考えます。
特に「聴音」は、演奏者(教師の弾奏、CDの録音演奏など)と同じスピードで、生徒が記譜するわけですから、大変効果的と言えます。また、「初見演奏」については、「練習をしないということを鉄則にする」と意味を持ちます。「即興演奏」に関しては、自分の弾いた音楽を「五線譜に書く」ということを推奨しています。「ワークブック」は一度にたくさんやるのではなく、毎日少しずつ進める方が効果的です。
先日「移動用に、もうひとつマグノーティックス(当教室オリジナル・譜読みトレーニングボード)が欲しい!」と、追加注文をされた生徒さんがいらっしゃいます。薄いボードですので、そのように「バッグ」の中に入れるなどして、日常的にご利用頂けるのであれば、これも大きな効果を期待できるグッズです。(マグノーティックスは、他教室の先生や生徒さんも、お求め頂くことが出来ます。)
それぞれのライフスタイルに最も合ったやり方で、楽譜と仲良くなれる方法を見つけて下さいね!
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