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ドビュッシー:西洋美術からの音楽的インスピレーション

皆さん、こんにちは!昨日は、ドビュッシーの美術愛についてお話ししました。今日はその続きとして、ドビュッシーが他の芸術家とどのように交流し、その交流が彼の音楽にどのように影響を与えたかについてお話しします。

学生生活のあと、ドビュッシーは裕福な人々による晩餐会や芸術家が集うカフェなど足しげく通うようになりました。それは、詩人マラルメが主催する「火曜会」、こだわりの芸術書を数々そろえた書店「独立芸術書房」、キャバレーカフェ「黒猫(シャ・ノワール)」など、当時のアートを彩った伝説の場所の数々です。

そこで出会った画家は、ドガ、ホイッスラー、ゴーギャン、ルドン、ドニや彫刻家ロダンなど。ロダンの弟子で愛人であった女流彫刻家カミーユ・クローデルとは、日本の浮世絵について芸術談義を交わしたそうです。性格に難癖があるドビュッシーなので、どの交流も平和に続いたとは言いがたいですが、彼らを通してドビュッシーは作曲のテーマになる詩や絵画を見出していったのです。そして故郷フランスだけでなく、その興味はイギリス・スペイン未知の存在であった中国や日本にまで広がっていきました。

イギリスのアートから着想を得た音楽をご紹介します。ドビュッシーが25歳のときに作曲したカンタータ『選ばれし乙女』です。元のアイディアは、ラファエル前派のイギリス人画家・詩人であるダンテ・ガブリエル・ロセッティの「選ばれし乙女」という詩と絵です。

これは、恋人を残して天国に召された乙女が、地上の恋人とまた会えることを願って欄干から下を見つめて涙を流す、という切ない恋物語。ドビュッシーはフランス語版の詩を歌詞に用い、女性のソロと合唱そして管弦楽という編成の音楽を作曲しました。

ドビュッシーのこだわりは音楽だけでなく、出版する楽譜の表紙絵にもおよびました。彼は親交のあった画家モーリス・ドニに楽譜絵を依頼し、ロセッティの元の絵画とはいっぷう違った、「選ばれし乙女」を表紙にします。

ロセッティの絵画へのオマージュか、ドニが描いた乙女も欄干から左下に視線を向けています。ドニらしい平面と装飾が特徴的ですね。ロセッティが描いた叶わぬ恋物語は、ドビュッシーの手によって、この世のものではないような幻想的なハーモニーと詩情あふれる切ない歌に変わりました。

これらは、ドビュッシーが受けた西洋からのインスピレーションを物語っています。明日は、彼に与えた東洋の美術作品についてお話しします。お楽しみに!

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