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楽園に吹く西風:音楽と神話の交差点‐第五章 

クロード・ドビュッシーは19世紀から20世紀初頭のフランスの作曲家で、彼の革新的な作曲技法は西洋音楽の歴史における重要な転換点となりました。彼の音楽は従来の調性や形式を超えて音楽の色や質感に焦点を当てることで知られています。これは彼が自然や詩、美術などから多大な影響を受けた結果であり、その結果彼の音楽はしばしば印象主義と呼ばれます。

ドビュッシーの「西風の見たもの」はピアノの前奏曲集第1集の第7曲です。この曲はアンデルセンの童話「楽園の庭」に登場する西風の神ゼフィロスの荒々しい冒険を音楽に表現したものです。

アンデルセンの童話ではゼフィロスは天国の庭園から追放されたアダムとイヴの息子カインを助けるために地上のさまざまな場所を旅します。その途中でゼフィロスは火山の噴火や洪水、戦争や疫病などの悲惨な光景を目にしますが、最後にはカインを救って天国に連れ帰ります。

ドビュッシーはこの童話の内容を自由に解釈して西風の見たものを音楽に表現しました。この曲は西風の吹く方向によって東西南北の4つの部分に分かれています。

最初の部分は東風のエウロスが吹くところで暖気と雨を運んでくる神として描かれています。この部分は穏やかで明るい音色で始まりますが次第に激しくなっていきます。

続いて南風のノトスが吹くところで晩夏と秋を運んでくる神として描かれています。この部分は温かくて豊かな音色で農作物の豊かな実りを表現しています。しかし、この部分もやがて激しくなっていきます。

その後北風のボレアースが吹くところで冬を運んでくる冷たい神として描かれています。この部分は冷たくて荒々しい音色で雪や氷の光景を表現しています。

最後の部分は西風のゼフィロスが吹くところで春の訪れを告げる豊穣の神として描かれています。この部分は優しくて華やかな音色で花や鳥の光景を表現しています。しかし、この部分も終わりに近づくにつれて激しくなっていきます。

このようにドビュッシーは西風の見たものを美しいものだけでなく恐ろしいものや悲しいものも含めて音楽に表現しました。

次回は「風の支配者アイオロス」とショパンのピアノ曲についてご一緒に見ていきましょう。

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