heimweh
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反響
「わたしの音楽は、既存の音楽に対する反応であり、反響なのです。」 ウクライナの作曲家、シルヴェストロフの言葉です。 反響、とても美しい言葉だと感じます。 クラシックの演奏家は皆、あらゆる作曲家の残したただひとつの楽譜と向き合い、音にします。 その過程で堪らなく自分の心が呼応し、震える瞬間があるかと思います。心が“反響”していると表現できるかも知れません。 たった1枚の楽譜から、それはとても不思議な体験です。 そして、その反響の仕方はそれぞれの辿った人生によって誰一人同じものはありません。 ... 続きを読む
2023年1月22日
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ピアノソナタ第13番 D. 664:シューベルト
即興曲、楽興の時などのピアノ曲が有名なシューベルトですが未完成のものも含め生涯に渡り数多くのピアノのためのソナタを書いています。 やや敬遠されがちなのは、その難解さ、はたまた長大さの故でしょうか。しかしそこにもまた作曲家シューベルトとしての葛藤や人間としてのやるせない魅力が滲んでるようにも感じます。 さて、そんなピアノソナタ群の中でも、整った均整と美しさを湛えた1曲がこちらのピアノソナタD. 664です。 暖かなイ長調で描かれた音楽。どこを切り取っても泉のように湧き出る美しい旋律に彩られた一楽章... 続きを読む
2022年12月24日