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作曲家が楽譜に閉じ込めた音楽を開封して解放するのが演奏 Vol.3

おはようございます。
作曲家にとって、どの調で音楽を書く、ということは、とても大切、と昨日お話ししましたが、そもそも調というのはどんなものなのでしょうか。

今、私たちが世の中で聞いている音楽は、平均律という音律で書かれています。
平均律とは1オクターヴを12等分した音律のことです。
ド・ド♯・レ・レ♯・ミ・ファ・ファ♯・ソ・ソ♯・ラ・ラ♯・シ・(ド)
ピアノの鍵盤をドから黒鍵白鍵ふくめて右に順番に12個押して出てくる音は平均律です。

バッハが生まれた頃はこの平均律は一般的ではなかったのです。
そもそも、ピアノの前身チェンバロは非常に高価な楽器で、お城のようなところにしかなかったでしょうから、鍵盤の音を順番にポロンポロン、ということをする機会は一般的にはほぼないに等しかったでしょう。
楽器を演奏する人自体少なかったと思いますが、笛やリュートで平均律の音階を奏でてみようという考えが生まれるわけもなかったでしょう。
そんななか、概念、としてあった「平均律」の全ての調で音楽を書いてみるぞ!という知的興味からバッハが成し遂げてしまったのが、かの「平均律鍵盤曲集」です。
原語のDas Wohltemperierte Klavierを訳すると「よく調律された鍵盤楽器」、となりますが、ここでいうKlavierは、今私たちが弾くピアノの前身のチェンバロ等のことです。

さて、書いてみたぞ!なわけの平均律鍵盤曲集ですが、そこはさすがの音楽の父バッハ大先生、それぞれの曲がそれぞれの調にマッチしている芸術曲に仕上がっちゃっているのです。
というか、このバッハの平均律でそれぞれの調で書かれた曲たちが、のちの作曲家・演奏家たちにとっての調の性格的なイメージを規定していった、と言えば言えるのかもしれません。

さて、では本当に簡単に調のイメージを体験してみましょう。

まずは基本の調、ハ長調。
シャープもフラットもついていないのがハ長調。

ピアノの鍵盤のほぼ真ん中のドの上に1の指(親指)をおいて、続いてミに3の指(中指)、ソに5の指(小指)をおいてハ長調の主三和音(ドミソ)を弾いてみましょう。
その響きを何度も弾いて耳を澄ましながらハ長調の主和音の響きに身をおいてみてください。とてもまっすぐな、混じり気のない和音。
何回かドミソを弾いてそのまっすぐな響きを楽しんだ後、

3の指を左斜め上の黒鍵に移動してミの音にフラットをつけてハ短調の主和音(ドミ♭ソ)にしてみましょう。
とたんに、今まで晴れ渡っていた空に雲がおおったような、暗い音空間が現れます。


今度はドミソを弾いた三つの指をひとつずつ右にずらして、ニ長調の主和音(レ・ファ♯・ラ)を弾いてみます。同じく指は1、3、5で。
ニ長調の主和音を弾いて、の落差を楽しんでください。
ニ長調、明るくて華やかですよね!

トランペットが一番自然に響く調はニ長調だそうです。
ファンフアーレを担当するトランペットが一番輝いて奏でる調なので、ニ長調はファンファーレのような祝祭的な音楽を書きたい時に作曲家が選ぶ調なのです。

主和音をひとつ聞いても、調の持つキャラクターのちがい、すこし感じていただけたのではないでしょうか。そのキャラクターにのっとって作曲家が明るい音楽、深刻な音楽、などそれぞれの音楽を調の上で繰り広げていくのですから、書き上げられた音楽はもっともっとキャラクターが濃くなっていくわけです。
調ってすごいですよね!!
演奏者は、調のことを知って、作曲家が頭の中で響かせた音楽に近づきましょう!

今日はこの辺で。
かげやまゆうこ


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