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Q:初めて見た楽譜の譜読みが苦手です。また、一回暗譜できたものでも人前で弾くと暗譜がとんでしまうことがあります。覚えていないということでしょうか。

Q:初めて見た楽譜の譜読みが苦手です。また、一回暗譜できたものでも人前で弾くと暗譜がとんでしまうことがあります。覚えていないということでしょうか。



A:(講師・塩川)まず譜読みですが、これは如何に効率よくできるかというところがポイントになります。また、休憩時間としてピアノを弾いていない時間、もっというと睡眠をしっかりとることも、恐らく思っていらっしゃるよりも重要です。



効率の良い練習に関しては、アナリーゼ(楽曲分析)を積極的におこないましょう。(楽曲分析については別のコラムに詳しく載せています)

ほとんどの楽曲には規則性があります。その規則性に気づき、例えばある最初の方に出てくる部分と最後の方に現れる部分(特に古典的なソナタ形式の楽曲であれば簡単に見つけることができます)がわかれば、わざわざその二箇所にわたる部分をそれぞれ練習せずとも半分の練習回数で済みますし、形式に則って覚えることで暗譜力の向上にも役立ちます。



後者の休憩している時間を利用する、ということについては、人間の脳はぼーっとしている時はかなり脳内活動が活発になっており、その機能を有効活用します。脳の仕組みはまだ解明されていないことが多いですが、この「デフォルトモードネットワーク」という脳の機能はピアノに限らずあらゆる記憶、運動などを束ねる重要な役割をになっています。



次に暗譜についてですが、これについての問題は幾つかのパターンに分けることができます。

単純に練習不足の場合。本番で失敗してしまうと「こんなに練習したのに!」とつい思ってしまうこともあるでしょうが、その「こんなに」が客観的にみるとその曲のレベルに対して練習量が全然足りていない場合があります。
基本的に人間は自分自身に甘い生き物です。(科学的事実として、人間の脳はそのような構造になっているそうです)少しストイックに練習する方がむしろ丁度いいくらいです。

次に集中できていない場合。その場の雰囲気が慣れていない状況、身体の疲れ、また余りにも大量に直近でやるべき事や複数の練習している曲を抱えている、等。自身の限界を知らずに雑多なことでパンクしているのかもしれません。日頃のご自身の身体のコンディションを整えるということも大切な練習のひとつです。

最後にヒューマンエラーの場合。たまたま間違ってしまった、という事は人間にとってはよくあります。そんな時は、人生そんなもんだと割り切りましょう。あまりクヨクヨ悩むよりか甘いものでも食べて脳に栄養を送ってみてください。



それでは確実な暗譜のための実践的な方法についてはどのように行えばよいのでしょか。持論では、暗譜の過程には3段階に分けて考える必要があると考えていますが、ここでは最も大切な最初の段階について記述します。

暗譜はまず脳の長期記憶(側頭葉)にメロディー、和声の進行、手の大体の動きを覚えさせていく必要があります。最も分かりやすいコツとしては、日を分けて何回もさらう、先程上の方で説明した睡眠や休憩をしっかりとる、などもちろんありますが、もっとも有効的なのは「紐づけ」して覚えていくことです。

古典的な楽曲は特に、主題的なメロディー、また副主題的な幾つかのメロディーが変形、転調したり拡大・縮小などしたりして展開していきます。「こことあそこのメロディーはなんか似ているな」と気が付くことだけでも初歩の暗譜の大きな一助となるので、積極的に楽譜とにらめっこをすることをお勧めします。ご自分なりに曲を分解して、ABCなどの記号でマークをつけるなど、ピアノを弾くことばかりせずアナリーゼも大いに活用して前頭葉で考えることをより多く試みてください。


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