日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

ピアノへの導入

長年ピアノを教えてきて、一番よく質問されるのは、お子様がピアノを習い始めるなら何歳から習うのが良いか、ということです。これは、小さなお子様をお持ちの親御さんから、ただの興味本位で聞いてくる方までいろいろですが、私が最初にご説明するのは、「ピアノにはバイオリンのような縮小楽器がない」ということです。従って、ある程度の手の大きさになるまでは鍵盤を楽に弾くことは難しく、子供にとって結構な負担になる場合もあります。一人一人体の大きさが違うように、手の大きさにも差があるので、一概に何歳から始めたら良いとは言えません。

私が大人の方にご説明する時には、小さなお子様の気持ちをご理解いただくために、「手を『パー』の形にして目一杯開いてみてください』とお願いします。そして、「その状態でピアノを弾くことを想像してみてください」と申し上げると、皆さん一度で納得してくださいます。ただし、これは鍵盤を弾くことに限った話で、ピアノを弾くにはただ指を動かすことの他にも、山ほどの準備が必要です。いきなり楽譜を見て、ピアノを弾けるようになるわけではないからです。準備を始める年齢は、手の大きさにはあまり関係ありません。どういうことかというと、例えば野球に憧れてチームに入った子が、何の準備もなくいきなりゲームに参加しても、ボールも拾えず、バットも当たらず、惨めでつまらない想いだけが残ってしまうでしょう。事前のキャッチボールや、ティーバッテイングなど、ボールに親しむ下準備をしてこそ野球を楽しめるようになるのです。ピアノも全く同じです。

ピアノを弾く時に一曲を同じテンポで弾くためには、ビートを保つ必要があります。人間の心臓は、普段規則的に動いていますが、速くなったり遅くなったりすればそれは不整脈で病気です。音楽も一定の鼓動で流れていくものですから、不整脈のようでは困るのです。弾きやすいところは速く弾き、弾きにくいところは遅く弾くのでは、聞き苦しくてたまりません。同じテンポを保つ必要があります。でもそれは最初から生徒さんの身についているものではなく、教わってはじめてわかることです。また、長さの違う様々な音符をそれぞれ正確に弾くためには、一拍を分割したり、二倍、三倍、四倍に保つ能力も必要です。それもやはり生まれつき備わっているわけではなく、学んで身につくことです。それから、楽譜を見てピアノを弾くには、楽譜に書いてある音符を読めるようにするのはもちろんですが、目で楽譜を読みながら手を動かすという二つのことを同時にしなければなりません。その方法を身につけるにも準備がいるでしょう。そしてまた、生徒さんが自分が弾いている曲の調性を感じられなければ、シャープやフラットを弾き忘れていても気づくことができません。間違った音を聞き分けられないからです。生徒さん自身でその調性が感じられるように導いてあげることが大切です。

まだまだ準備には色々ありますが、鍵盤に入る前、あるいは同時進行で、いかに年齢に合った的確な方法で導入してあげられるかどうかによって、音が苦になるか、音を楽しめるようになるかが決まってくると思います。ですから始める年齢も慎重さを要しますが、ピアノへの導入は最も大切で技術のいる仕事です。


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓

↓お問い合わせ・体験のお申し込みはこちらから!↓

この教室へお問い合わせ

↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント