ブルグミュラーのこと 〜22番 舟歌(バルカローレ)〜
前回(2018.2.9のトピックス)
15番バラードという名曲のあと、
18番心配、19番アヴェ・マリア、
20番タランテラと
バラエティに富んだ佳品が続きます。
今回は、22番舟歌(バルカローレ)を
選んでみました。
舟歌(バルカローレ)はその名のとおり、
船の漕ぎ手によって歌われる船頭歌です。
ヴェニスのゴンドラがゆったり穏やかに
漕がれている様子が、
情緒的な美しいメロディで奏でられています。
舟歌はリズムに特徴があり、
ゴンドラが水面を漕いで波打つ様子が、
6/8拍子に乗せて表現されています。
左手の和音が、
タン♩、ウン、タン♩、
タン♩、ウン、タン♩、
のリズムを絶え間なく刻み
ゴンドラがゆっくり静かに
進んでいるかの様です。
この曲は、
変イ長調(ラ♭から始まる音階)で
フラット♭が4コついています。
フラット♭の調性は、柔らかく、
優美な雰囲気がありますね。
「舟歌」は、色々な作曲家のイマジネーションを
刺激した題材です。
メンデルスゾーンの無言歌集では舟歌が
何曲も作曲されており、
ショパンの舟歌は、
ショパン作品の最高峰の一つに挙げられる名曲です。
ブルグミュラーの舟歌は、
バイエル終盤で弾ける難易度でありながら、
普段は元気な曲がお得意の子供たちに、
しっとり弾くことを教えてくれる
隠れた名作だと思うのです。
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