お月謝の意味

もう10年以上前の事です。



4年生の女子生徒がお月謝をホラよっ！ とばかりに投げて渡そうとしました。


受け取りそこなったお月謝袋はフローリングの上をスルスルッと滑って行きました。



私「拾いなさい！この中に何が入っているの⁈」


本人はちょっとふざけただけだったのでしょう。厳しい口調に変わった私にビックリしていました。



生徒「お金」

私「お金じゃないのよ！」

生徒「？？」



私「お月謝が入ってるの。

あなたのパパとママが一生懸命に働いて、今月もうちの娘をよろしくお願いします。と言う気持ちが入ってるの！

特にあなたのおうちは、見てごらんなさい、新しいお札でしょ。
先生はお月謝を戴く度に、毎月気が引き締まる思いでハンコを押してるのよ。それを今、投げましたね」



生徒、涙。。



それまでは片手で渡そうと、ポンとピアノの上に置こうと何も言いませんでしたが、


(そうだ、いい機会だ！ この際お月謝の渡し方も伝えよう。
そうすれば、もし私の手を離れて他の先生の所に行っても失礼する事がない)

と思いました。


私「相手の方に向けて両手で持って、今月もよろしくお願いします。と言うのよ」




この生徒だけに伝えたのでは不公平になると思い、その週は全員にお月謝の意味と渡し方のキャンペーンをしたのでした。



(みんなは、突然どうした？と言う顔をしていましたが。笑)



このお嬢ちゃん、次の週には元気に

「こんちは〜！」

とやって来ました。





「こんにちは 」ではなく、いつも

「こんちは！」

でした。それがとても可愛い子でした。


Mちゃん元気にしてるかなぁ。



お読み頂きましてありがとうございました！

では又、ごきげんよう。