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シューマンのピアノ曲 10 ー フリードリッヒ・ヴィーク  

フリードリッヒ・ヴィーク
 シューマンはハイデルベルク大学法科を中退すると、ピアニストを目指して名教師フリードリッヒ・ヴィークにピアノを習い始めました。しかし無理な練習のせいで手を壊してしまいピアニストを諦め、作曲家の道に進みました。
 やがてシューマンとヴィークの娘クララが愛し合うようになるとヴィークは断固として結婚を認めず、二人が会うことも許さなくなりました。
 当時クララはすでにピアニストとしての評価も高く、方やシューマンは作曲家として将来も保証されていませんでした。さらにシューマンの過激で不安定な気質なども考慮した上で、自分が手塩にかけた娘の将来の幸せを考えて頑強に反対したのではないでしょうか。そう考えると晩年のシューマンの狂気はヴィークにとっては想定内のことだったのかもしれません。
 しかしシューマンの性格から見てヴィークの猛反対があったからこそ火に油を注ぐように、彼のクララへの恋愛感情が燃え盛り持続したとも考えられます。
 もしすんなり許されていたら、意外に早く終わっていたかもしれませんね。
 (森直紀)


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