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悲しき音楽家⑤ ベートーヴェン

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 今年はベートーヴェン生誕250周年。その知名度はほぼ100%で、小学生でもみんな知っています。彼はハイリゲンシュタットの遺書を書き一度は命を絶とうとしますが、音楽家としての使命に目覚め、数々の苦難を乗り越えて傑作の数々を残しました。

 ピアノソナタでは《悲愴》《月光》《テンペスト》《ワルトシュタイン》《熱情》と名曲揃い。ピアノをやった人なら必ず憧れる曲です。しかし本当にベートーヴェンをきちんと弾こうと思うと、技術的にも精神的にもとてつもない難しさが立ちはだかっています。ペダルで雰囲気だけ出したりテンポを自由に変えたりなどのごまかしがききません。更に、後期の第30番、第31番、第32番はこのジャンルの最高峰で、一生かかっても納得のいく演奏ができるかどうか分からない奥深さを持っています。

 交響曲第9番《第九》(1824年作曲)は器楽と声楽が融合した当時としては画期的な手法による後期の傑作で、第4楽章の合唱の歌詞に使われたシラーの『歓喜に寄す』は全人類の理想を謳っています。演奏時間は約70分。第4楽章だけでも約30分かかります。この壮大な名曲はベートーヴェン1792年(22歳)に発案。長い年月を経て1824年(54歳)初演、1826年(56歳)出版にこぎつけ彼は翌年の3月26日に亡くなっています。正に一生をかけて草案され、最後の力を振り絞って完成されました。

 ベートーヴェンは生涯難聴や慢性の腹痛に悩まされ、《第九》完成当時にはすでに肝硬変となり黄疸症状がありました。痛みを少しでも和らげるために飲んでいたアルコールも彼の健康には逆効果だったようです。最後の弦楽四重奏曲を作曲する頃には腹水がたまり、数回摘出手術が施されましたが、風邪から肺炎を起こし高熱の中で意識不明となります。病床では交響曲第10番を構想中で、創作への意欲はまだまだ衰えていませんでした。

 葬儀の行列には、1万人とも3万人ともいわれる人々が集まり教会までの道を埋め尽くし、ウィーンでは空前絶後の大規模な葬儀だったといわれています。

 ベートーヴェンの曲は人類の宝ともいえます。ただ美しいだけではなく、その力強さや頼もしさは勇気と共に人を奮い立たせ、傷ついた人には慰めや安らぎを与えてくれます。そして《第九》はある時は祝典の曲として、そしてある時は鎮魂歌として、またオリンピックでも歌われてきました。この曲が現代に至るまで人々に心から愛され歌い継がれてきたこと、彼の生誕250周年記念の年にウィルスの蔓延で全世界が命の危険に瀕し、この曲をホールで集まって演奏できなくなっていることをベートーヴェンは知りません。

http://pnet.kawai.jp/602574/topics/25865/(エリーゼのために)もご覧ください。

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