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譜読み

この間レッスンした生徒さん、レッスン前のおしゃべりが終わって、”今日は何弾く?”と尋ねると、いきなりもじもじしだす。
”どしたん?”と聞くと、ちっちゃい声で、”あの、譜読みって何だっけ、て突然思っちゃって・・”

2,3日前に一つ本番が終わり、新しい曲を渡したばかりだったのですが、ふとこの素朴なギモンにぶちあたったらしいのです。

私はそのギモンが彼女から出たことをとても嬉しく感じました。
ここ数ヶ月レッスンをしてきた生徒さんですが、とにかくいろんなことに対して、流されるまま、受身な印象が強かった彼女だからこそ、自発的に考えて出たであろうその質問に、成長の兆しをみたのです。

譜読み、という言葉の意味はもちろんわかっているでしょう。でもここ最近のレッスンを省みるに、自分の今までのやり方はどうやら違うらしい、違うことはわかるけど、でもどうやったらいいかわからない・・。そしてそれを先生に聞いてみよう、としたことが、彼女にしたらとても勇気のいる一歩だったのではと思います。

というわけで、よし、じゃあ今日は譜読みのやり方のレッスンね、ということで始めました。

このブログで書いた記事、”暗譜の難しさ”に譜読みについてかなり細かく書きました。
ポイントにすると、
1.まず最初に曲を知る。(拍子、調、テンポ、キャラクターなど)知らない曲の場合は音源を一度さらっと聴いておく。
2.ざっくりとかたまりを分けましょう。闇雲に1ページずつ、とかで区切っていくのではなく、音楽のキャラクターに沿ってどこからどこまでが大きくひとかたまりなのかを、見つけましょう。

鍵盤を触る前に、最低限上記のことをする必要があります。あとは始める前に、曲の背景(何年に書かれたかや、曲の由来、作曲家についてetc)も調べておくと、さらに入りやすくなります。

3.ではまずそのかたまりをさらに分解して1フレーズ目から、片手ずつ始めます。
4.指づかいを定めておきましょう。番号がかいてなくて弾き辛い場所は得に要注意。いろんな指をためして、ベストだと思うものを決めたら、楽譜に書きます。
5. 先のフレーズに進んだら、かならず前のフレーズから通して弾いてみます。こうして何度も繰り返すことでより体に入ってきます。
6.そして、フレーズの成り立ちをこのときに知っていってください。すくなからずフレーズには形や意味や緩急があります。上ってるのか下りてるのか、はたまた真ん中にポイントがあるのか、もしくは次のフレーズに繋げるための部分なのか、などなど。それはハーモニーで探せることが多いです。和声をよくみてフレーズの成り立ちを知ってください。
7.何度弾いてもつっかかる場所は一度その部分だけをとりだして、何が原因かを見つけます。原因が指づかいだったり、指の準備の仕方だったり、色々ありますが、偶然でなく何回も間違える場所、というのはかならず何か理由があります。それを自分で見つけられるようになると、かなり違います。
8.声部が重なっているような場所はかならず一声部ずつとりだして覚えていきます。


繰り返し繰り返し弾いていくことはもちろん重要ですが、この時に指に覚えさせちゃうのではなく、頭にインプットしていくことをおすすめします。
間違えやすいスポットなんかは、必ずどこかに原因があって、例えば似たようなフレーズが2つあっても、あっちはこの場所が白腱、こっちは黒鍵、みたいにわざと意識して覚えていくと、忘れづらいです。のちのち暗譜が怖くなるのも、体の記憶ばかりに頼っているせいも大きいからです。

文字で書くと難しく見えるな・・。でもそんなに難解な作業ではありません、一つずつつぶさに、丁寧に、見ていくだけです。一つを攻略できないまま先に行くと結局何も入ってこなかったりします。

そしてこうして丁寧に見ていくと、進みが遅いように感じるかもしれませんが、そのかたまりを終えたころには、音だけでなく、いろいろな要素の基礎が一緒に出来上がっていることに気づくはずです。そしてそんなに複雑なものでなければ、ほぼ暗譜してしまっていることもあると思います。

最初のギモンに戻ってみると、譜読みって、建物でいう柱を作っていく作業なんだなあと思います。
曲の枠組みを理解していく作業ですね。音楽的にもテクニック的にも。

入れる情報量たるや半端なく多いので、一日に最後までみようと思わなくてもいいと思います。
大事なのは、やったその場所がどれくらいクリアにインプットされたか、なので。きちんとやればその場所は翌日になってもほぼ頭に残っているので、先に進めます。


つっかかりながら、なんとなく最後までいってみる、というのが一番、よくない方法です。いつまでたっても頭に入ってこない上に変な癖だけついたりします。

めんどくさがりの私でもできる方法ですので、お試し下さいな♪


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