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プレイエル-エマニュエル・ムーアピアノ

ピアノ曲を弾いていると、左右の手が同じ鍵盤に位置する場面などで、「鍵盤が2段あるといいなあ。」とお感じになったことはありませんか?

ピアノの鍵盤は1段しかないのに、パイプオルガンやチェンバロは、鍵盤が複数のレイヤーにになっていることが多いですね。

これらの楽器では、鍵盤上の指の操作で音色や音量を変えることができないため、鍵盤の各段に音色を予めセットしておき、演奏時するときに異なった段の鍵盤を選択することによって、強弱や表現を行います。

ですが、鍵盤の弾き方で音を変えることのできるピアノの場合、一段鍵盤でそれを行うことが出来るというわけですね。

2段鍵盤のメリットはそれ以外にもあったようで、例えば上下異なる音域にセットすれば広い音域を容易に弾きこなしたりジャンプしたり、カプラーを使って上下連動させることによって一つの鍵盤でオクターブを演奏できるなどです。

現実にはあまりピアノでそのようなオクターブの速いパッセージが要求されることもないので、どうにか通常の一段鍵盤で間に合っているといますよね。ですから、2段鍵盤のピアノはこれまでに何度か製作・発売されたにも拘わらず、人気を獲得することが出来ず定着しませんでした。

ところが、作曲家エマニュエル・ムーア(Emánuel Móor 1863- 1931 英/ハンガリー)はそのような普通のピアノには満足しておらず、オクターブでの速いパッセージや半音階グリッサンドを要求しました。

そして彼は、そういう演奏が可能であるピアノの開発を、パリのピアノメーカー、プレイエル社に持ちかけました。そうして出来たのが、かの有名な「プレイエル-エマニュエル・ムーアピアノ」です。(1929年製のピアノは、ベルリンフィルハーモニー博物館が所蔵しています。)

ブログで何度かお話ししている「プレイエル (Pleyel)」という会社は、パリの老舗ピアノメーカーで、とりわけショパンが好んで使用したこと知られているブランドです。

1970年に倒産し、その後ドイツのシンメルがこのブランドを引き継いだり、パリのピアノメーカーに戻ったりしましたが、結局、製造を中止してしまいました。

そのため、現在では中古しか見ることが出来なくなった。最近、このプレイエルのアップライトが入荷したという連絡を受けました!

珍しい機種ですので、ご興味のある方は試弾に行かれたら良いと思います。

以前、二台のプレイエルを試弾なさった生徒さんが、鍵盤の深さの感覚について、非常に興味深いコメントを残されました。

「カワイのピアノは悪くはないがコツコツ感があり、ヤマハでもそれに近い感覚があった。しかし、プレイエルでは心地良さだけが残った」と。


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