日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

樹木に宿る心

先日、島根県にある隠岐島後隠岐の島町の「玉若酢命神社」を訪ねられた方から、お便りを頂きました。

国内外の観光客の方々を対象とするガイドブック「小泉八雲の足跡探訪―松江・出雲・隠岐諸島ー」というものを製作中なのだそうです。今回はその調査の一環で、隠岐を訪ねられたとのことでした。

島前海士町には、八雲が聞いた「兎の耳は何故長い」という子守歌を保存継承されているのだそうです。また、「玉若酢命神社」には、樹齢1000年にもなる木があることが広く知られていますね。参拝されたことがある方、も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

「木」というものは音楽と密接な関係があります。樹齢100余年の林檎にモーツァルト,の音楽を聞かせることで、甘さと酸味に調和の取れた果実の収穫を目指した果樹園経営者もいますね。

一昨年前に、旧国立競技場が撤去されたことはご存知の方も多いと思いますが、その周辺には樹齢150年程度になる大きな欅(けやき)が、歴史と共に育っていたそうです。

旧国立競技場の撤去と同時にその欅の木も伐採されることになったのですが、この木を処分することなく生かすことができないかと考えられた結果、これを使って和太鼓を作るという案が生れました。

和太鼓の中に魂が宿っていると信じている日本人の方々は、昔から大勢いらっしゃいますよね。この明治維新の頃から育った欅の木に、多くの人々の複雑な思いを入れ込んで、立派な和太鼓を作りたいという沢山の人々の切なる願いにより、遂にこの有意義な案が生れました。

欅の大木を和太鼓にするために「自然乾燥」するのか、はたまた「人工乾燥」なのかは、実は、ピアノの製作過程と相通ずるものがあるので興味があったのですが、お尋ねしたところ、自然乾燥なのだそうです!(ヤマハとカワイのピアノについては、「機種による」というご回答でした。)

今回、話題にさせて頂いている欅の木を使って作る和太鼓は、実は、「樹根(じゅこん)太鼓」と呼ばれる珍しい和太鼓です。この樹根太鼓とは、通常の和太鼓のように円柱に丸く刳り貫くのではなく、大木の根元からの形をそのまま生かすようにして作り出す日本の太鼓職人の匠の技術が光る貴重な和太鼓です。そして、それは樹齢約150年の欅からであるからこそ、製作が叶う名器なのだそうです。

洋楽器に関しても、特にピアノを例に取ると、どのメーカーにあっても、昨今の「木材」の質の低下ということが言われていますね。「ピアノに適した木々が、大量伐採によって原料の確保が難しくなっていること」が、大きな原因ですが、それと同時に楽器の製作技術が向上していることなどもありますので、それらを正しく評価できるよう努めたいと思っております。


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓
↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント