オルガンを学んだ理由・・・

Saint-Saens サンサーンス（1835-1921)が、優れたピアニストであり作曲家であったことは、ピアノを学んでいる皆さんは周知のことですよね！

しかし、彼は在学中、類い稀なピアノ奏者としての才能を認められたにも拘わらず、「ピアノ」より「オルガン」を学ぶことに夢中でした。

サンサーンスの父親は、彼が生れた直後に亡くなったため、彼は、母親と叔母に育てられました。

彼がオルガンに大きな興味を持ったのは、ピアノよりオルガンが好きという理由によるものだったかどうか、実は疑問が残されています。

上記の家庭事情がありましたから、彼は、当時、効率良く収入を得る手段であったオルガンを、ピアノに優先させる必要があったと考える方がより自然ですが、真実については、彼本人しか知る由もありません。

私もかつて、オルガンを学んだことがあります。教会のオルガニストに欠員が出たため、どうしても・・・と頼み込まれたので、否応なしに引き受けました。しかし、日本にはパイプオルガンが普及してないため、まず、オルガンシューズを入手することからして、困難だったことを覚えています。

結局、スーパーに売ってある安物の「滑り止め付き防寒用ルームシューズ」を買って、それを穿いて練習しました。

足で音階をレガートに弾くことには、大層難儀しましたが、ピアノ以外の楽器を弾いていた時期は、私の音楽人生の中でとても貴重なものであり、また大切な楽しい思い出でもあります。