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いつになったらモーツァルトのトルコ行進曲が弾けるの?

「ピアノを習ったことがないんですが、モーツァルトのトルコ行進曲はいつ弾けるようになりますか?」「初心者でも弾けるカッコイイ有名なクラシック曲では、何が良いですか?」といった質問を、成人の方やそれに近いご年齢の若い学生さんから受けることがあります。

それについてはケースバイケースですので、一律の回答を示すことの出来る先生は皆無でしょう。しかし、「演奏したい!」という気持ちがあれば、たとえピアノを習い始める時期が遅くとも、弾けるようになる曲は結構たくさんあると思います。

質問の例によく挙げられるモーツァルトの「トルコ行進曲」にしても、適切な指導を受けることが出来るならば、さほどの年数を経ることなく、演奏出来るようになる可能性は高いです。

ただし、この曲は、途中、右手の速いパッセージを含みますので、手のバランスを取ることが出来なければ、指がもつれることがあります。又、オクターブや分散オクターブには、「手の筋力」と「運動能力」が必要とされますから、「ピアノ歴」「年齢」という情報からだけでは、この曲を演奏出来るか否かを判断することが出来ません。

ピアノを演奏するために必要とされる能力とは、「ピアノ以外のもので培われることが多い」からです。

難所のない比較的安易な曲としてご紹介出来るのは、「メヌエットBWV Anh 114」です。この曲は、長いこと「バッハ作曲」とされていましたが、近年の研究によって、現在では、ペッツォールドによって書かれたとする説が有力です。

サティの「ジムナペティ第一番」は、技術的にも平易で、多くの方々に愛好されていますが、曲想の気怠さのせいか、練習過程で退屈なさる方も少なくあるかも知れません。

ベートーヴェンの「エリーゼのために」は、瞑想を含むので、何年もピアノを習ってきた子ども達より、むしろ、年数の短い大人や中学生以上の生徒さんの方が、上手に表現出来ることが少なくありません。

バッハの「平均律クラヴィーア曲集第一巻第一番プレリュード」は、指の独立性などを充分に習得していない生徒さんでも、美しく演奏出来る曲です。ただし、これは身体的な技術面での話に過ぎませんので、これを演奏出来るか否かについては、やはり実際に、その生徒さんの演奏を間近で見ている先生でなくては判定できません。

ショパンの「ノクターン2番」も有名ですが、この曲を持っていらしゃる初心者の生徒さんの中には、左手の和声の転回形をきちんと掴めないケースが多くみられます。最後の装飾的パッセージに関しては、ルバートの要素がありますので、無理のないテンポでお弾きになることをお勧めしています。「浅田真央さんの曲」と信じていらっしゃる方も多いですね!(笑)

同作曲家の「ノクターン20番(遺作)」は、映画「戦場のピアニスト」で有名になった曲です。質問者様は楽譜がお読みになれるということですので、良い指導者について練習なされば、比較的短期間で、これを弾けるようになる可能性は高いです。編曲版も出ていますが、その中には、原曲の持ち味を損なわずに綺麗にアレンジされているものもありますので、原曲に挑戦する前に、そちらを手掛けてみられるのも一案です。

子どもっぽいイメージがあるかも知れませんが、ブルグミュラーの「素直な心」は、都営大江戸線の発車合図メロディーに使われています。(何年も前のことですので、現在では変更になっているかも知れません。)私は、サンバのリズムを用いてアレンジが施されたバージョンで、この曲を、ピアノ歴数カ月の小学生とデュエットしたことがあります。とても楽しかったです!

同作曲家による「アラベスク」は、年齢を問わず愛好されている曲ですね。譜面はいたって単純ですから、「指の基礎がしっかり出来ているかどうか」という「技術的なこと」、および、「アラビア風の唐草模様のイメージを、いかに的確に音楽として表現できるか」といった「感性に関すること」という二つの要素が重要な鍵となります。

また、現在では、クラシックとポピュラーのボーダーは段々と薄くなりつつありますので、クラシック音楽に限定しないで、J-POPや、映画音楽など、ピアノにアレンジされた楽譜を入手して、自由に弾いてみるのも良いのではないかと思います。

ピアノはとにかく弾かなければ上達しませんから、初心者のうちは、「とにかく好きな曲を見つけて手当たり次第に音を出してみる」というのもアリなのです。

頑固なピアノ教師の中には、「知名度の高い作曲家の曲を弾かせることが最終目的」であるかのように信じ込んで、そのための練習段階を、伝統に従ったメソッドに沿って、必要以上の段階を踏ませることを強要する方々がいますが、趣味でやピアノを弾くというのであれば、それらは絶対不可欠というものではありません。

ゲームのBGMやケータイの着信音でも構いませんし、逆に、無謀に思えるような難しい曲でも、とにかくチャレンジしてみられたら良いと思います。

その曲を好きであれば、自ずとたくさん練習するようになりますし、「どうすれば上達するのか?」「弾けるようになるためには何をすれば良いか?」を、他人に聞かずとも、今度は自分自身で考えるようになります。

そういう経験を重ねることが、上達への最短距離なのです。

音楽が大好きな皆さまに、良い曲との出会いがあることを願っています。


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