ウナ・コルダ

先日レッスンにいらした生徒さんが、レッスンが終わる頃になって、「どうしてもお母さんに見せたいものがある！」と言って、別室でお待ち頂いているお母様を呼びに行かれました。

それで、「一体、何を見せるのだろう？」と訝しげに思っていたところ、突然、左のペダルを踏み始めて、「カタコト・カタコト」と鍵盤が左右に動くことを、自慢げにお母様に見せ始めました！

それをご覧になったお母さまは、「ピアノを壊すんじゃないのよっ！！」と、真っ青になって、真剣な面持ちで子供さんを叱責されていましたが、私は可笑しくなって、「左のペダルを踏むと鍵盤が動くのは、正常なことです。」と、グランドピアノの構造について、短くご説明させて頂きました。

お母様はとりあえず安心なさったようですが、子供さんは相変わらず、左のペダルを楽しそうに踏み続けていらっしゃいました！

ご入会いただいて2回目のレッスンでしたが、子供さんが、毎日レッスンの日が来るのを楽しみにしていらっしゃると伺って、私もそのお子さんが来るのが待ち遠しくて仕方ありません。

ウナ・コルダ（左のペダル）の「カタコト・カタコト・・・」という鍵盤と連動する動き（グランドピアノ特有のものです）が、数年後には、「ソフトペダル」と称される本来の芸術的目的に貢献するものとして、この子供さんの心の中に認識されていることでしょう。

その日の到来を楽しみにしつつ、これからも指導に当たらせて頂きますので、保護者の方々には、どうぞ今後とも、変わらないご理解とご協力のほどを宜しくお願い申し上げます。

ウィステリア・ピアノクラス　（埼玉県　入間市）