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ドビュッシー萌えポイント解説

20代の大人のお姉さん、Mちゃんは今ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」を弾いています。


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前奏曲集第1巻の第8曲目ですね。ドビュッシーのピアノ曲の中でもポピュラーな曲ではないでしょうか。

そしてドビュッシーの曲の中でもとてもシンプルですね。テーマのメロディー自体がとても素直というかシンプルで思わず口ずさんでしまうようなメロディーです。


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これですね♪
調整も変ト長調ではっきりしていて(調号切れててごめんなさい汗)分かりやすいですね。


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非和声音が一つも入っていないすっきり分かりやすいメロディー!

主和音のG♭そのまんまでスタートし(書いてないけど3拍目の「ミーソシ」はC♭でしょう)、最後もG♭でおさまっています。(以下コードネーム表記)



しかし!!
こんなにも分かりやすくシンプルなメロディーでありながら、めっちゃキュンキュンするポイントがたくさん出てくるんですよね!!

透明感があって甘くてちょっと切ない!

みたいな。

こんなにシンプルなのに!天才か!!(天才です)



ということで前置きが長くなりましたが、このシンプルなテーマのキュンキュンポイントについて書こうと思いまして。
いや、テーマ部分以外も全部がキュンキュンなのですが、終わらないので(笑)テーマについてだけに絞りましょう。


このテーマはこの冒頭部分含めて3回出て来ます。

2回目は次の段にすぐ出て来ます。

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メロディーの音は全く同じなのにそこに付いている和声が変わります!

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G♭だった部分がG♭7に!
C♭(4の和音)(※)だった部分がなんとA♭7に!!

A♭の音は、変ト長調的には2の音なので本来ならマイナーコードでA♭mですが調性には無いドミナント7thコードに変化しています。


同じメロディーなのに響きがグッと変わって「おおっ!!」となりますね!

G♭7(1の7)からA♭7(2の7)という進行もその前の時代までの機能和声には無い進行なのでドキッとしますよね。


しかしE♭m7という、変ト長調的に6の和音をはさんでさらっとA♭m7が出て来て(ドに♭が付くことでA♭7からA♭m7になっています)、そしてさらっとG♭におさまっていますね。

ちなみにA♭7からE♭m7に行く瞬間はちょっとマイナー(短調)の響きになるので、キュンっと切ない響きがします。


ここまでが2回目のテーマ部分です。




そして後半に出てくる3回目のテーマですよ!!!


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これも最後のリズムがちょっと変わっているだけで完全に同じメロディーです。



しかし。しかしですよ!?

テーマのメロディーが出てくる前に、両手でC♭の和音をならしますね!?
「ド♭、ミ♭、ソ♭」の和音です。
この和音の響きが鳴っている上にメロディーを浮かべるわけですね?

するとっ!!!


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あああああ!!!
なんということでしょう!!!

完全にG♭だったメロディーの響きが、C♭の上に乗ることで、


C♭M7の響きになるんですよっ!!!!!(涙)


しかも!!!!!

メロディーの最初の一音が「レ♭」なので、


C♭M7の9thのテンションになるんですよ!?



なんということでしょう!!!(涙)

なんて美しいメテモルフォーシスなんでしょう!!!(涙)

あああ・・・この9thの前にひれ伏すしかありません・・・。


また、このC♭の和音に行く和声進行もいいんだよねえー。

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だってA♭m7 → D♭って、変ト長調の2の和音から5の和音で、完全に1の和音のG♭に行く進行なのに、そこから4の和音のC♭って!!

そこに9thのレ♭って!!!



そしてまた、最初にはなかったE♭mというマイナーの響きを入れてちょっと切なくしといて、ちゃんと元のG♭におさまっているという。


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ああ〜〜〜もう。
あああ〜〜〜もうキュンキュン過ぎて死にそう。
ああああ〜〜〜もうキュンキュンが過ぎる。キュン死に。キュン死にだわドビュッシーで。



・・・というドビュッシーに萌え散らかすだけの本日のブログでありました。

あ、楽譜はYAMAHAの「50 greats for the Piano」という曲集を使用しました。一番音符が大きくて余白が広かったので。

ドビュッシーの前奏曲集の楽譜はなんだかたくさん持ってるの(笑)一番元になるのはデュラン社の前奏曲集。これですね。


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こういう分析をすると、キュンキュンの秘密に近づけて楽しい!!というのもありますが、弾く時に作曲者の意図を汲み取ってそれを生かすためにどう弾くべきか、演奏を組み立てて行くための重要なヒントになります。



※ 「1の和音、2の和音・・・」とは、その調の7つの音を順番に並べた音階の1番目の音から1、2、3、・・・7と番号を振った時に、それぞれの音に1つ飛ばしに音を2つ重ねて和音にしたものの呼び方です。表記は本来はローマ数字を使います。


ハ長調だったら、

ド レ ミ フ ソ ラ シ

に音を重ねて、


ソ ラ シ ド レ ミ フ
ミ フ ソ ラ シ ド レ
ド レ ミ フ ソ ラ シ

1 2 3 4 5 6 7


です。


この曲では変ト長調なので、


レ ミ フ ソ ラ シ ド
シ ド レ ミ フ ソ ラ
ソ ラ シ ド レ ミ フ

1 2 3 4 5 6 7


となります。(ファ以外は♭が付いています)




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