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表現のテクニック「テンポ・ルバート」

テンポ・ルバートとは、「表現される感情の起伏に応じて,楽曲の速度を自由に加減して演奏すること」と辞書にはあります。

メトロノーム通りの規則正しいテンポではなく、ゆったり遅くなったりどんどん速くしたり、テンポを自由に変えて演奏することですね。

しかしこの「自由に」というのがくせもので、「自由に」と言われるとどうしていいかわからなかったりしますよね。ジャズのアドリブなんかも慣れていない人には「自由に」って言われるのが一番難しいものです。


Sさんという大人の女性の方がショパンのワルツを今弾いているのですが、譜読みももうバッチリだしバランスや強弱もよい感じ♪で、今週のレッスンでは「ではテンポ・ルバートを一緒にやっていきましょう」ということになりました。

私が弾いて全体のイメージを伝えてから、今度はフレーズごとに具体的に少し細かくテンポの揺らし方を説明しました。

そしてSさんもその感じで弾いてみると!!

私「わあ!素敵!!ショパンっぽくなったー♪」

Sさん「うん!なんとなく分かった感じがします♪」

ということでグッとロマンティックでおしゃれに、ロマン派のショパンの魅力が出せました!!


「自由に」ということでどこをどれくらいテンポを変えるというのは決まっていませんし、演奏者の解釈やその場の気分・その時の流れによっても変わってきたりしますが、基本的な、そして自然なルバートの仕方というのはある程度説明できると思います。


1、フレーズの「最初」を少しゆっくりめから入る

2、そのままゆっくり弾くとずるずるしてしつこく重くなるのでそのあとはテンポに「ノって」ぐんぐん生き生きと進む

3、フレーズによるけど、いちばんの「高まり」のところをたっぷりと聴かせるようにテンポをたっぷりする。こともある

4、フレーズの終わりで「区切り」感のある場合は、そこで少し「おさまる」ようにゆっくりしていく

5、「区切り」の部分はブレスするように間合いを取る



基本的にはこうなると思います。
これは自然な流れにのっとったテンポ・ルバートの仕方です。

話し方のようなものだと考えてもいいと思います。
話の「区切り」感や、落ち着くところ、息を吸って間合いを取る、大事なところは強調してゆっくり目に話す。

それと同じだと思います。

そしてそれは必ず「自然」で、必然性があって、そして心地よいものでなければなりません。

やたらとゆっくりして流れが悪く本人だけが気持ちよくて流れの悪い演奏になってしまっては独りよがりな演奏になってしまいます。

そして時代的なスタイルと作曲者のスタイルも考え、その時代のスタイルの魅力、その作曲者の音楽の魅力を生かすものでなければなりません。

あとは曲の構成ですね。区切りにしても、小さな区切りと大きな区切りがありますので、それを表現して全体の流れや構成を生かすように考えます。


少し具体的に気をつけると良いことは、


●「ゆっくり」だけでなく「どんどん」ノって進むところも意識する。

ショパンは、ゆっくり弾くところと速く弾くところで、最終的に帳尻が合わなくてはいけない、と言っていたそうです。(←正確な言い回しは忘れました。帳尻?笑)
ゆっくりばかりだとねばっこくなるよー。


●指先だけでテンポを変えようとせず、感情を乗せて歌うように弾こう

自然で心地よいテンポ・ルバートの本質です。


●右手だけでなく左手でもテンポをコントロールしよう

特にフレーズの終わりで右手メロディーが伸ばしていたり休符で音が無かったりする時には左手の伴奏でテンポを変えて行くよう意識します。意識しないと割とできないです。


●必ず強弱の変化とセットで変化させよう

ゆっくりする時に、クレッシェンドしながらなのか、それともデクレッシェンドしながらなのか、音量変化と合わせて表現します。



以上のようなことを意識するとテンポ・ルバートがやりやすくなると思いますし、より自然で曲の魅力をアップさせることができると思います!
いろいろ試してみてください♪


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