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絶対音感 ④

クラシックの声楽の発声と、J-POPなどポピュラーものを歌う時の発声は全く違いますが、声楽を学んだ身としては、音程を合わせる苦労はないのでカラオケも得意でした。
20代の頃、カラオケに採点機能が付いている機種が出始めたのですが、常に高得点が出るので友人たちから「すごい」「さすが」などと言われ。
子どもの頃から専門に勉強してた訳ですから、すごくも何ともないのですが、悪い気はしていませんでした。

当時のカラオケは、一般の人が歌いやすいよう歌手より低いキーが標準になっている事が多かったので、私はいつも同じキーになるように上げていました。
ある時、広瀬香美さんの「ロマンスの神様」を歌おうとしたら…キーを一番上まで上げても同じにならず。
広瀬さんは声がとても高いので、その機種は同じキーに設定できなかったのです。

仕方なく、上げられる最上のキー:♭G(変ト長調)にしましたが、原曲は♭A(変イ長調)。
絶対音感のせいで、♭Aでしか聴こえていなかったこの曲のイントロが一音下がって聴こえてきた時、嫌な予感がしました、ちゃんと歌えないかも…と。

予想は的中。
Aメロは何とか歌えたものの、Bメロは、原曲はB(ロ長調)の複雑なコード進行を経てサビの♭Gに向かうのですが、Bメロの途中から音が分からなくなり、調子外れにしか歌えなかったのです(T_T)

サビは大丈夫だったと思うのですが…ショックでよく覚えていません。
一番だけで歌うのをやめ、カラオケを停止しました。
恥ずかしく情けなく、私はキーが違うと音が分からなくなってしまうんだという事に自分で驚きました。
つまり、私には相対音感はなかった、という結論ですね。
友人たちも私の狂った歌に驚いていました(笑)

それ以来「ロマンスの神様」は、原曲と同じキーに上げられる機種のお店でしか歌いませんでした。
カラオケでこんなに屈辱的な気持ちを味わったのは、後にも先にもこの一回だけです。
でもクラリネットとこの経験のおかげで、移調を自然に、何とも感じずに出来る相対音感の素晴らしさがよく分かりました。
絶対音感が良いに決まってるという思い込みがなくなった事は、今、生徒さんたちに教えさせていただく日々の中で意味があるなと感じています。


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