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シューマンの調

シューマンという人は、文字遊びが好き、ということはよく知られています。(そうでもないかな。。)

ちなみにシューマンが尊敬してやまなかったバッハ大先生は名前が全てが音名でできているという、さすがに音楽の神様なのです。

「BACH」を鍵盤で弾くと「シ♭ーラードーシ」。

シューマンの知人のリスト(友人というほどの関係ではないので知人、でいいですよね?)なぞは、このバッハ大先生のお名前の音列をテーマにして「バッハの名による変奏曲」まで書いちゃってます。

シューマンの名前の中の音名は3つ。

SCHUMANN「Cード」「Hーシ」「Aーラ」なのですが、頭文字の「S」も「エス」という読み音から「ESーミ♭」に無理やり充てて、自分の調として変ホ長調を意識しています。

この変ホ長調という調こそ、シューマンが大好きな調なのです。

変ホ長調と聞いてまず思い出すのは、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」ではないでしょうか。 

ベートーヴェンは変ホ長調の豪華な感じ、芯の強い感じ、高貴な感じを愛し、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」も変ホ長調で書いています。

ベートーヴェンに心酔していたシューマンがこのことを意識していないわけはないですし、シューマンより少し年下のリヒャルト・シュトラウスも自分をイメージした(笑)交響詩「英雄の生涯」で変ホ長調を用いています。。



かたや、愛するクララを表すのはCLARAの「Cード」。ハ長調やハ短調でクララを象徴しています。

このところ、毎日14曲のシューマンのピアノ曲と向き合っていて思うことの一つに、シューマンが作曲をするにあたって一曲一曲、調を厳選していたであろうこと。

通して演奏される曲集の調の相互関係はもちろん大切ですね。

特に「幻想曲」op.17では、まずクララを表すハ長調でクララがどれだけ素晴らしい存在であるかということを音で描き、クララと引き裂かれ、逢えないクララに向かって心の叫びのようなフレーズ、シューマンの心の傷の深さを示すフレーズがこれでもか、というほど描かれています。そして苦しく絶望的な叫びの後に現れる天使のようなクララの声も聞こえてきます。

クララ、シューマン、クララ、シューマンが3つの楽章にわたってそれぞれハ・変ホ調、それの関係調や遠い調で巧みに描き分けられていて、シューマンの心の内を見せられているようで苦しくなったり、慰められたり、愛おしかったり、で心が目まぐるしく揺さぶられます。




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