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作曲家から見たピアノ進化論

最近、感銘を受けた本がこちらです↓
ピアノ教室.COM


クラシック音楽を弾くということは、昔々に書かれた音楽を現代の楽器で弾くということです。
時代をさかのぼればさかのぼるほど楽器の構造が違うので、音色が違う。弾いている感覚も、聴こえてくる感覚も、違う。
そして時代が違えば、価値観が違う。

違うことだらけ。

特に打鍵やペダルに関しては、楽譜だけ見て判断することは非常に危険です。

時代背景や楽器の構造などの知識を仕入れて、それを自分の演奏とレッスンに生かしていかなければなりません。

「打鍵とペダルに関して」と書きましたが、ピアノの演奏は打鍵とペダルで成立しているので、つまり奏法全部ということです!

ピアノという楽器の変遷について解説してある本は沢山ありますが、この本は日本を代表する作曲家でありピアニストの野平一郎氏によるもので、作曲家/演奏家からの視点で楽器の変遷が語られるという、非常に興味深い本です。それだけでなく、野平氏自身の演奏活動や教育活動にまつわるエピソードも挿入されています。これも、とてもとても面白かったです!




野平氏のことは、キッカケは忘れましたが大学入学前から存じ上げていました。一流ソロピアニスト並に演奏が素晴らしくて、しかも日本を代表する作曲家だ、と勝手に畏怖の念を抱いていました。作品は聴いたことがなかったのですが。。。汗

このように私が一方的に存じ上げているだけですが、実際にお会いしたことがあります。

最初は、大学入学したての頃。
ピアノ専攻1年生全員が受けなければいけない「ピアノ初見奏」の試験。試験官に野平氏がいらっしゃって、「ひょえ〜」となりました。
その後、「初見が出来ない組」に選別された私。初見特訓クラスに放り込まれたのでした。

次は、今から3年前の「東京国際ヴィオラコンクール」にて。
私は公式伴奏者としてコンクールに関わっていたのですが、野平氏は審査委員のメンバーでした。彼の新作がコンクール新作委嘱作品として課題曲でもありました。ピアノ伴奏無しのヴィオラソロ曲だったから、私は弾かなかったけど。そしてコンクール課題曲の武満徹の作品は、審査委員長の今井信子さんと野平氏が初演した曲。
そんなわけで、その武満作品を初めて弾く私にとっては緊張するコンクールでした。

ある日、練習しようと思ってコンクール会場のピアノ室へ入ったら、そこには五線譜を広げて作曲中の野平氏の姿が!
慌てて「あ、すいません!」と出て行こうとしたら、
野平氏の方が、「いえいえ、すいませんすいません」と出て行かれました。
噂によると、コンクール後に別の会場で初演予定だった野平氏の作品(確かオペラとか大規模な作品)がまだ未完成だったそう。その作曲中だったのかもしれません。。。


この本が出版されたのはコンクールの2年前。
もしその当時この本を読んでいたら、野平氏ご本人にいろいろお聞きしたかったなぁ。



とにかく、お勧めの本です!
アマゾンにもありました。中古でも出てますよ〜。


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