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ショパンが勧める練習方法とは?

先日のブログ記事「効率のよい練習とは?」の続きです。
私のお勧めする《15分集中練習》は自分自身の経験からというのもありますが、ある本の影響が大きいです。
ものすごーく面白い本です↓

弟子から見たショパン―そのピアノ教育法と演奏美学
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私が持っているのはコレ↑だけど、アマゾンを見たら今年の6月に増補最新版が出版されていました!↓

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うーん、価格が高いですよね。。。図書館で見つけたらぜひ借りてみて下さい。
ちなみに私は、大きな声で言えませんが、ある場所でタダで手に入れたので、買った訳ではないです。。。

この本はショパンの弟子たちによる証言を集めたものです。その他にもショパンが生前に執筆を始めて未完成に終わった「ピアノ奏法」の草稿の邦訳など、本当に興味深い内容が盛りだくさんです。

〈毎日の練習、勉強の仕方と時間〉という章のなかで、こんな証言が載っていました。

「長時間続けて練習しないで練習の合い間には読書をしたり、傑作をじっくり調べたり、気分転換に散歩でもしなさい、と彼は口ぐせのように弟子に言うのでした。」

「ただ機械的に練習をくり返せばよいというものではない、練習には全身全霊をあげて集中しなければならない、と彼は口ぐせのように言っていた。だから気が乗らないのに同じことを20回も40回もくり返せ、などとは言わなかったし、それよりももっと嫌がったのは、(中略)ピアノを弾きながら読書もできるような練習の仕方だった。」

「リストの意見はショパンとはまったく反対で、タッチが重くて抵抗感があるピアノで指を鍛えるべきであり、それにふさわしい練習を、疲れきってもうそれ以上弾けなくなるまで、休みなくくり返すべきだと主張します。ショパンは、ピアノをこんなふうに運動競技みたいに扱う意見には、絶対に耳を貸そうとしませんでした。」




《15分集中練習》は単なる経験則でしかなかった方法でしたが、私はこの本を読んでから「ショパンのお墨付き」をもらった気分で、確信を持ってお勧めしているわけです。

伝記によればショパンには弟子がたくさんいましたが、その多くは貴族令嬢や裕福な市民階級の人々でした。プロのピアニストはごくわずかでした。これはショパン自身の内向的な性格や人脈などが原因だったと思われます。つまり、ショパンが勧めた練習方法は後世につたわらなかったのです。

一方、同年代のフランツ・リストはショパンとは対照的でした。何ヶ国語も話す国際人であり、カリスマ的なピアニストであり、次世代のピアニストの卵たちにいつも囲まれ、とても面倒見のよい教師でもありました。

ですから、リストの勧める練習方法が、しだいにピアノ練習のスタンダードになったのだろう、と思われます。

もしショパンも、プロとして活躍するピアニストをたくさん育てていたら。。。ピアノの練習方法---それだけでなく奏法や理念まで---が、対照的な2つの流派となって現在に受け継がれていたのかもしれません。


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