ショパンの言葉②
「あなたの感じているものを
表現できているとは思えません。
最高の音楽に耳を傾けているつもりに
なってごらんなさい。
聴きたいと思うように演奏してごらんなさい。
今演奏している自分の音楽をお聴きなさい。
自分を信じて演奏なさい。
でも聴かれていることを忘れないて。
いつも自分の音楽に耳を傾けるように。
おどおどしないように。」
「自分を信じて演奏していないと、
表現したいと思っているものとは違うのではと、
私は感じることになります。
自分がこういう音楽にしたいという
理想にしたがい、
あなたの心で聴かなければなりません。
あなたが伝えること、
それがいいのです。」
フレデリック・フランソワ・ショパン
引用 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』小坂裕子
こちらはショパンが弟子に語った言葉です。
ショパンは生徒にとって必要なものは、
長時間の練習よりも集中力と想像力と
考えていました。
一番大切なのは自分の演奏をよく
「聴くこと、耳を傾けること」。
そうすることによって過度な緊張がほぐれて、
身体の筋肉をリラックスさせることができ、
いい演奏ができると考えていたそうです。
それにしてもこの言葉、
厳しいダメ出しから始まりますが、
読み進めていくと
「あなたでなくてはいけない」という
とても愛情にあふれた深い思いが
込められているのですね。
ショパンは厳しい先生だったようなのですが、
それにもかかわらずお弟子さんたちに
「最高の先生だった」と言われる理由は
そのあたりにもあったのではないかと
個人的に思います。
自分と同じ人は誰一人としていません。
それがどれほど大きな価値の
あることか気付けたら、
演奏も人生ももっと
幸せなものになりそうです。