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シューマンのピアノ曲 7 ー 幻想小曲集  

幻想小曲集 作品12
 シューマンが熱愛したドイツロマン派の文学者E.T.A.ホフマンは、チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」や、夏目漱石が「吾輩は猫である」の下敷きにした「牡猫ムルの人生観」の作者です。
 彼は元来判事でありながら、小説家、画家、音楽家として活躍し当時から異彩を放った人物でした。
 シューマンも大学で始めは法律を学んだ経緯もあり、多彩な才能の持ち主だったことからホフマンに共感する部分が多かったのでしょう。
 ホフマンの代表的小説「カロ風幻想小曲集」は幻想的で超自然的な怪奇趣味に満ちた短編集ですが、シューマンは幻想曲という音楽的な意味を持つこの作品のタイトルをそのまま用い、音楽そのもので、しかも全8曲それぞれが文学的な表題を持つ「幻想小曲集」作品12を作曲したのです。
 そしてホフマンの「カロ風幻想小曲集」の中には「クライスレリアーナ」と名付けられた短編集も含まれています。 (森直紀)


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