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私の好きな曲⑳ フォーレ作曲 月の光 Clair de lune

ハートピアノ教室



 秋になると月が冴え冴えと輝きます。月の音楽はたくさんありますが、フォーレ作曲《月の光》も好きな曲のひとつです。


 この曲はもうピアノの前奏からして歌のようです。ヴェルレーヌの書いた歌詞は知らないうちにすうっと入ってきていて、歌声はまるで違うラインを奏でます。ところがそのメロディーは「サヴァ?一緒に参りましょうか…。」と言って手を差し出しているように自然とピアノと溶け合って一緒に歩きだし、踊りだすのです。歌詞のフランス語は流れるようにするするっとたくさんのことを言えてしまう言語。『悲しくて美しい静かな月の光』というところは、『Au calme clair de lune triste et beau』とサラサラと言ってしまいます。

 そんな歌声とピアノがリボンをゆるくからめたようにからみあい、少し触れ合ったかと思うとまた離れて今度は見つめ合い、浮遊しながらも決して離ればなれにならないで音楽を紡いでいきます。

 ボードレールやヴェルレーヌなどの詩にはフォーレの他にもドビュッシー、ラヴェルなども音楽を付けていて、原詩を読んだり意味を調べて発音したりしながら聴くと、何となく当時の雰囲気を感じることができます。そして天才達の感性の鋭さ、イマジネーションの豊かさに驚かされます。

 ジェラール・スゼー(フランスのバリトン歌手1918-2004)の演奏には若いころ出会い、その落ち着いた大人の声と、それまでよく知らなかったフランス歌曲の雰囲気に初めて触れて、すっかりその魅力に取りつかれました。

 また、メル・ボニ(1858-1937)というフランスの女性作曲家がピアノ独奏用にアレンジしたものもあります。この楽譜では従来のピアノパートの中に浮き上がるようにメロディーが挿入されていて、一人で《月の光》の世界を楽しむことができます。左手から右手に受け渡して親指で歌のパートを弾くと思えば残りの指ではピアノパートを弾いているという具合になっていて、バッハのポリフォニー(多声音楽)のようなのですが、バッハの厳格な“声部の弾き分け”のようなものはなく、ただ美しいリボンを心地よい風にそよがせているように弾けてしまいます。

 教室のレッスンでは、フランスの作曲家の作品を弾く時「言葉も大切なのョ。」と言いつつ“Rêve”(夢)と発音するのにも四苦八苦しているわたくしですが、浮遊しているようなフォーレの作品とフランス語の響きは、その曖昧な中にため息のように哀愁が潜んでいて、私を惹きつけます。

http://pnet.kawai.jp/602574/topics/34046/  私の好きな曲⑥ 美しい夕暮れ「Debussy: Beau Soir 」

http://pnet.kawai.jp/602574/topics/35376/ 月と音楽①
もご覧ください。

 熊本市東区健軍   HEART PIANO ハートピアノ教室


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