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切る

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 一年のスタートを「切る」1月。いろいろな思いを胸に2020年がスタートしましたが、日常にはなんと「切る」という文字の入った言葉が多いのでしょう!

切り売り(才能をやりすぎると枯渇)/切り返す(頭がよくないと無理)/切り替える(こればっかりじゃ練習になかなか集中できません)/切りかかる/切り崩す(難曲が仕上がった時)/切り子/切り口上/切り捨て/切り餅/切妻/切り詰める/切り開く(常に道を!)/切り札/切り盛り/切れ味/切れ切れ(メロディーラインがこうなってはいけません)/切れ長/切れ者/切れ味/切れ目(曲の構造を理解する時に大事)/切れ間等々…。

 音楽で「切る」といえば真っ先に思い浮かぶのはスタッカート。しかし、もともとのイタリア語のスタッカートの意味は「間を空ける」で、「切る」という意味はありません。辞書を確認しても「音を分離して」「音と音を続けずに切り離して」とあります。音自体を「切る」意味はないのです。

 可愛い小さなピアニストさんにレッスンで「スタッカート」ってどんな意味?と聞くと必ず「音を短く切る!」「はずんで弾く!」という元気な声が返ってきます。そんな時は、まず生徒さんと私の椅子をぴったり並べてくっつけて、身体も寄せ合って並びます。そして「さあ、今からAくんとせんせーをスタッカートしまーす!どうしたらいい???」と質問するとみんな目を白黒。「わかった!一緒にジャンプする!」という楽しい回答をする生徒さんも。(答えは離れるだけでいいのですね)

 ベートーヴェンのピアノソナタ月光第2楽章にはたくさんのスタッカートが書かれていますが、演奏には工夫が必要です。ピアニストでもいろいろな弾き方をいますが、最終的に音楽までブツ切れになってしまってはだめで、いかに大きな流れを保ちながらふわっと隙間を入れていくかが技の見せ所です。正に「切る」ではなく「間を空ける」感覚です。言葉を自然にしゃべる時のように馴染んだ間を演出するためにはいろいろな切り方があります。音の「間」にはなぜか方向があるようで、次の音に「はいどうぞ。」と手渡すような方向性がないとブツ切れになってしまうのです。無音の瞬間も音楽的につながっているように聞こえるように「スタッカート」を弾くのは本当に難しい感覚です。

 また、スタッカートが書いてなくても、改めて言い直すところやフレーズとフレーズの間、長いメロディーラインでは少し息継ぎしたいところなども、あからさまに「切る」とまではいかなくても、少し間をとる余裕が必要です。画一的にポンッといつも切ってしまいがちですが、音と音の「間を空ける」には様々なバリエーションがあり、前の音の長さや収め方で続く音の雰囲気がまるで変ってしまったりします。

 さて、今年の目標は、深い感動を目指して音楽の中で想いを「言い切る」そして伝わる音楽を「弾き切る」ことです。信念を以て表現をするには、裏付けとなる知識もないといけません。クラシック音楽に「切り立つ」難曲にも「切り込んで」いきたいものです。

指が痛いのhttp://pnet.kawai.jp/602574/topics/77316/
もご覧ください。

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