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テクニックという言葉は誤解されがちだなあと日々レッスンをしていて感じます。
間違えずに複雑なパッセージを弾くことや、音をはずさないようにすることが技巧と思われがちですが、テクニックとはまず楽器をうまく鳴らす技術のことなのではないかなと。

音楽にとって一番重要なのはその素材である、”音”。他のものがどれだけすばらしかろうと、素材自体がよくなければ意味をなさない。
フィギュアスケートの世界ならそれはスケーティングの美しさになるのでしょうか。当たり前に行っているようにみえて注目すらされないけれど、実は素人では真似できない鍛錬された滑らかさ、美しさ。
基礎中の基礎のテクニック。でもそこの優劣の差は実はすごく大きい。

練習曲はよく弾けても、モーツァルトやシューベルトなどの、究極にシンプルで、音色美しさ、多彩さで勝負!のような曲になるととたんにのっぺらぼうになってしまう人がいたりする。
本人が感じてないわけではなく、感じているものを音に出す手段を知らないからです。

そしてこの美しい音を出すのはピアノでは特にそんなに難しいことではないはずなのです。
無駄な力をいっさい省き、ただただ欲しい音に対して適切なスピードと重さを、打鍵の瞬間に指先に落とすだけ。
歴代の偉大なピアニストの演奏シーンをみてみると、みんなびっくりするくらい体は微動だにさせず弾いています。体の軸をそうやって安定させていることが、一番弾きやすいからですよね。
音楽が激昂しているからといって、体まで激昂させる必要はないのです。そこをよくごっちゃにしてしまいがちなのですが。

かくいう私もそれでさんっざん苦労してきました。この理屈を頭では理解しても体に理解させるのに、そしてそれまで培ってきてしまった自分の”癖”と戦うのに。
シンプルなはずの作業が、何でかとっても難しいことになってしまうんですよねぇ。
他の難しいことに振り回されて、一番の基礎のテクニックを無視して進んできてしまうと。。


でも、”音”そのものにとくにこだわるヨーロッパで、自分の耳を開かされてからは、それを求めずにはいられませんでした。何より師匠の音がとんでもなかったので。

美しい音は、ごてごてした飾りがなくとも、たった一本のシンプルなフレーズでも、人を感動させる力があります。
それを求める音楽家でありたいし、生徒さんたちにもそういう人達になってほしいなぁ。


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