音楽ってすごいよ。

私はピアニストで、ピアノの先生です。
　
現在、東京都、杉並区南荻窪と、香川県丸亀市の２箇所でピアノの先生もしていますが、宝物のようなだいじな生徒さんたちがたくさん来てくれています。森の中の一軒家に暮らすゴーシュのところに、毎晩動物たちが訪ねて来ては、必死にチェロを練習するゴーシュに喜びや気づきを与えるかのような、そんな素敵な生徒さんが、たくさん来てくれています。小さい皆さんから大人の皆さんまで、みんな素晴らしい魔法が使えます。私の自慢の生徒さんたちです。

そういえば、私はピアノの先生として何年生だろう。。大学生の頃からだから、もう１０年生くらい。……ごめんなさい。大幅にサバをよみました。えっ？ばれてる？気、気を取り直して。
私はこれまで、たくさんの素敵な生徒さんたちに出会えてきた大変な幸せ者です。

でも、先生の時間は今でもドキドキ。昔、教育実習に行きましたが、その時の気持ちと同じかんじです。人に教えるとは責任重大。私なんかまだまだですのに、、、。だから、毎時間その人その人に必死です。どうやったらもっと上手になるかな、どうやったら楽しく伸びてもらえるかなと試行錯誤です。大人の方も、子どもさんも、すごいきれいな石です。ちょっとでも傷つけたり、壊したり、台無しにしてしまったら大変と思うから、一緒に、丁寧に丁寧に磨いていきたいです。


それから私には、「田村ピアノ学校」の生徒さんのほかに、月に２回、学習センターのセミナーで会える生徒さんたちもたくさんいます。皆さん、私をキラキラの瞳で待っていてくれます。毎回思うのは、あぁ必死に準備したかいがあったという思いと、皆に出会えた喜びと、自分が生かされ幸せで、こうして役立ててもらえてありがとう、、という心の底からの感謝です。


私は、幼い頃から、両親のだいじなお金をたくさん使って勉強させてもらってきました。そして、素晴らしい師に出会え、これまで自分の音楽を作ってきました。まだまだの私ですが、こんな私を先生と呼び、教えて欲しいと来てくださる人たちに、「こんなにピアノってすごいよ、音楽ってすごいよ。」って、できるだけいっぱい伝えたい。私の持ってるもの、全部ぜんぶ教えてさしあげたいと思っています。

でも、、、全部ぜんぶって言ってもそんなにないので、補充補充、いっぱい勉強して補わなくてはなりません。だから、私は、ピアニストでピアノの先生なのです。←偉そう！（←そうでもない実力を理屈で正当化しようとしている？）


「感動することをやめた人間は、生きていないと同じことである。」～アインシュタイン
（↑おっ！今度は哲学で誤魔化そうとしている！？）
でも、ほんと、この格言からふと考えてみるに、私、、ピアノを弾いている中で、一日に何度も何度も鳥肌がぶわーっと立つ。
私は生きています！！（←これは間違いない。）


先日、尊敬する吉田秀和さんが亡くなりました。新聞のコラムにありました。「素人が音楽の深淵に触れることはなかなか難しいが、吉田さんは、音楽の奥庭に咲く花を、そっと剪って手渡してくれた。」

小澤征爾さんを造ったかもしれない吉田秀和さんの音楽評論は、それ自体が音楽を聞いているかのような名文で綴られていた。９０歳で愛妻を亡くした時、彼を救ったのも音楽だった。


……　あぁそのとおりだと思います。厳しい人生の中で、幾多の危機に見舞われようとも、本物の音楽を知っていれば、音楽に助けてもらえるということ。

音楽にまっすぐ向かうことができ、真の美を知る努力を惜しまなければ、音楽は必ず味方になってくれる。悲しみを乗り越える力をくれるということ。私もよく知っています。

小澤征爾さんの吉田秀和さんには到底なれないまでも、
「音楽はすごいよ。」
って、愛する生徒さん皆さんに、少しでも教えてさしあげられたらな。


明日は小さなコンサート。

今日も私はピアニストでピアノの先生です。