ウィステリア・ピアノクラス ♪WISTERIA Piano Class♪
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中古ピアノの選び方:ボストンとスタインウェイの比較
ピアノ教室の先生として、生徒さんから中古ピアノの購入相談を受けることがよくあります。日本ではヤマハが最も流通しているブランドですが、欧州製のグランドピアノを希望する方もいらっしゃいます。 スタインウェイとボストン スタインウェイアンドサンズは一流ブランドですが、高額であること、欧州と日本の気候差によるメンテナンスの難しさなどにより、購入に必要とされる知識と準備はかなりの量になります。そこで、スタインウェイのセカンドブランドと言われる「ボストン」を候補にされる方が多いです。 ボストンはスタ... 続きを読む
2024年2月12日
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白桃煎茶:新鮮な体験と音楽の旅
こんにちは、皆さん。今日は、生徒さんから頂いた白桃煎茶についてお話したいと思います。 私は、色々なフレーバーのお茶を楽しむことが好きなのですが、白桃は初めてだったので、とても新鮮な体験でした。このお茶は日本の緑茶をベースにしているのですが、不思議と異国を思わせるような甘い香りが漂ってきました。 この白桃煎茶を飲みながら、私は音楽について考えました。音楽もまた、新しい曲や新しい演奏法を学ぶことで、私たちに新鮮な体験を提供します。そして、それぞれの音楽が、まるで異国の風景を思わせるような、独... 続きを読む
2024年2月11日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-9 La chasse
ブルクミュラーの『25のエチュード』の中で、狩りの情景を描いた曲があります。それがOp.100-9 La chasse(狩り)です。 この曲はハ長調から始まり、狩りの合図の角笛や馬の足並みを表現した右手の連打が印象的です。しかし、中間部ではイ短調に転調し、dolente(悲しげに)と指示されています。これは狩られる側の動物の心情を表しているのでしょうか?それとも、不穏な空気や天候が悪くなった、あるいは猟犬たちが疲れたという解釈もあります。最後はまたハ長調に戻り、狩りの宴の終わりや森の静寂を感じさせます。 この曲を弾... 続きを読む
2024年2月11日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-8 La gracieuse
皆さん、こんにちは。今日は、「La gracieuse」について探求していきましょう。 「La gracieuse」は一般的に「優美」と訳されます。その名前が示す通り、この曲は優雅さを表現する練習曲として広く知られています。 この曲は三部形式(ABA)で構成されています。冒頭部分(A部)では、左手の和音が基盤となり、右手がメロディーを奏でます。中間部では、左手が冒頭の旋律的要素を引き継ぎ、同時に右手の最高音がそれと組み合わさって華やかさを演出します。そして、ダ・カーポの後、再び冒頭部分(A部)が再現され、非常に繊細な... 続きを読む
2024年2月10日
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音楽が繋げた夢:保育士への道
皆さん、こんにちは。今日は、成人の生徒さんから素晴らしいニュースを聞きました。彼女の念願だった保育士として、この春から園で仕事を始めることが決まったそうです。 音楽は子どもたちの情操教育や身体的発達に大きな影響を与えます。ピアノのレッスンを通じて、子どもたちが音楽の楽しさを感じ、自己表現の手段として音楽を使えるようになることは、私たち教師にとって何よりの喜びです。 彼女はこれまでのレッスンで学んだことを、新しい職場で生かすつもりです。音楽を通じて子どもたちの成長を支え、楽しく働くことがで... 続きを読む
2024年2月10日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-7 Le courant Limpide
皆さん、こんにちは。今回は、「Le courant limpide」について見ていきます。 「Le courant limpide」は「清い流れ」または「清らかな流れ」と訳されることが多いですが、直訳すると「透明な流れ」を意味します。この曲は、その名前が示すように、静かに流れる水の描写を音楽にしたものです。 この曲は三部形式(ABA)で構成されており、出だしの部分(A部)、中間部(B部)、そしてダ・カーポの後の部分(A部)では異なる特徴があります。出だしの部分では、右手の三連符が分散和音となっており、各拍の頭の音がメロディーとな... 続きを読む
2024年2月9日
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ピアノ学習の楽しみと真剣さ: 「道草の宝もの」を見つける
こんにちは、音楽愛好家の皆さん。今日は、ピアノ学習における「楽しみ」と「真剣さ」のバランスについてお話ししたいと思います。 ピアノ学習は、時には厳格な教則本に従い、一歩一歩確実に進むことが求められます。しかし、その一方で、自分自身の興味や関心に基づいて音楽と向き合う時間も大切です。それは、道端で見つけた小さな花や虫に心を奪われる子どもの「道くさ」のようなものです。この「道くさ」の時間こそが、私たちが「道草の宝もの」と呼ぶものです。 具体的には、自分で曲を作ってみたり、ジャズやボーカロイド... 続きを読む
2024年2月9日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-6 Progrès
皆さん、こんにちは。今回は、「Progrès」について見ていきます。 「Progrès」は「進歩」または「前進」という意味です。この曲は、その名前が示すように、進歩や前進のイメージを醸し出します。曲の特徴としては、両手の上行音階が目立ちます。これにより、曲全体に前向きな雰囲気が生まれ、聴く人に活力を与えます。 この曲は、ブルクミュラーがパリで音楽教師として活動していた時期に書かれました。この「進歩」は、彼の生徒たちがピアノの技術を向上させる過程を表現していると考えられます。 レッスンにご興味のある方... 続きを読む
2024年2月8日
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タイの学校生活 - 一日の冒険
みなさん、こんにちは。 今日は、私の教室に通うタイからの小学生が、学校生活の一部を共有してくれた特別なエピソードをお伝えしたいと思います。 その子が姉のところに行きたくて、階上にある上級生の部屋に忍び込んで机の下に隠れて寝ていたところ、しばらく誰も気づかなかったということもあったそうです。これは日本の学校ではあり得ないことです。 このエピソードは、タイの学校生活の自由さと、子どもたちが学校でどのように過ごしているかを示しています。また、それが日本の学校生活とどのように異なるのかを理解する... 続きを読む
2024年2月8日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-5 Innocence
皆さん、こんにちは。今回は、「Innocence」について見ていきます。 「Innocence」は「無邪気」という意味です。この曲は、その名前が示すように、純真で、優しい感情を表現しています。曲は、主に右手の旋律と左手の伴奏からなりますが、左手の伴奏は、単純な和音ではなく、音符が分散されています。これによって、曲に透明感と軽やかさが生まれます。また、右手の旋律は、音域が広く、音量が変化します。これによって、曲に表情と動きが生まれます。曲の途中には、grazioso(優美に)やleggiero(軽快に)という指示があります。... 続きを読む
2024年2月7日
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タイと日本の学校の違い - 教育の視点から
みなさん、こんにちは。 私の教室には、多くの外国からの生徒さん方が習いに来ています。今日は、タイからやってきた小学生が、日本とタイの学校の違いについて話してくれました。 地域差もあるのでしょうが、概して小学校のタイの方がグラウンドが広いのだそうです。そして、外観がおしゃれなのだそうです。言われてみれば日本の学校は、無機質な建物であることが多いですね。タイの学校は植物が美しくデザインされていたり、風景との調和がとれているとのことでした。 その子が目を輝かせながら語ったのは、学校の中に「スナ... 続きを読む
2024年2月7日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-4 La petite réunion
皆さん、こんにちは。今回は、「Petite réunion」について見ていきます。 「Petite réunion」は「小さな集まり」を意味します。この曲は、その名前が示すように、楽しく、親しみやすい雰囲気を持っています。曲の特徴としては、軽快なリズムと明るい旋律があります。これにより、曲全体に楽しげな雰囲気が生まれ、聴く人に活力を与えます。 この曲は、ブルクミュラーがパリの社交界で知識階級の人々からなる小さい集まりに参加していたことから考えると、この「小さな集まり」は必ずしも子どもたちのものだけではないかもしれま... 続きを読む
2024年2月6日
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巻紙から生まれる音楽:自由な表現を楽しむ
当教室では、生徒の皆さんが自発的に曲を創作し、それをレッスンに持ってきてくださいます。初心者の方でも、音楽のイメージを文字や図に書き留めてレッスン時に見せていただければ、五線譜へどうそれを表記するかの指導を行うことが出来ます。 ある日、トイレットペーパーのような巻紙を抱えてレッスンに来た生徒がいました。その巻物を見て私は「一体、これは何だろう?」と一瞬、何が何だか分からなくなりました。その生徒は、段を区切ることや、広音域に渡る記譜の仕方が分からないとの理由で、曲を書き続けているうちに、一枚... 続きを読む
2024年2月6日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-3 La pastorale
皆さん、こんにちは。今回は、「Pastorale」について見ていきます。 「パストラル」は「牧歌的な」を意味しますが、西洋文化では「羊」はしばしば人間を象徴し、特にキリスト教では「羊」は従順な信者を象徴します。この曲は、その名前が示すように、穏やかで平和な雰囲気を持っています。西洋文化の基本を成すキリスト教では、牧歌、つまり牧場は平和の象徴です。 羊飼いの笛の響きやメロディーがピアノによって模倣されています。旧約聖書の詩篇23篇に、「主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる。」いうフ... 続きを読む
2024年2月5日
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Thai School Life - A Day’s Adventure
Hello everyone, Today, I would like to share a special episode where a primary school student from Thailand, who attends my classroom, shared a part of his school life. The child wanted to go to his sister’s place, sneaked into the senior room upstairs, hid under the desk, and slept for a while without anyone noticing. This is something that would not happen in Japanese schools. This episode shows the freedom of Thai school life and how children spend their time at school. By understand... 続きを読む
2024年2月5日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-2 L'arabesque
皆さん、こんにちは。今回は、「Arabesque」について見ていきましょう。 「アラベスク」は、アラビア風の模様やデザインを指す一方で、バレエのポーズの一つでもあります。この曲は、その名前が示すように、華やかで装飾的な要素を持っています。ピアノ用語の「アラベスク」は、美しい細やかな演奏で、現実とは違った世界観を表現している楽曲です。また、アラビア風の装飾模様から派生して、『反復』という意味も持っています。この曲では、同じフレーズが何度も繰り返され、その反復性が曲の魅力を引き立てています。 レッスン... 続きを読む
2024年2月4日
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Differences between Thai and Japanese Schools - From an Educational Perspective
Hello everyone, Many students from various foreign countries come to my classroom. Today, a primary school student from Thailand shared the differences between Japanese and Thai schools. There may be regional differences, but generally, Thai primary schools have larger grounds. Also, the exterior of the schools is stylish. Looking at it, many Japanese schools are often inorganic buildings. Thai schools are beautifully designed with plants and harmonize with the landscape. What the child... 続きを読む
2024年2月4日
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ブルクミュラーの探索:Op.100-1 La candeur
みなさん、こんにちは。今回は、ブルクミュラーの「25の練習曲」の中から「La candeur」について見ていきましょう。 「La candeur」はフランス語で「純粋さ」や「無邪気さ」を意味します。しかし、ある文脈では、それは「おバカさん」というニュアンスを持つことがあります。この表現は、無邪気さが度を超えて単純さや無知を示す場合に使われますが、決して侮蔑的な意味ではありません。 この曲は、その名前が示すように、明るく、純粋な雰囲気を持っています。真っ直ぐに外の世界を大きく目を見開いて見る小さな子どもの心を... 続きを読む
2024年2月3日
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エオリアン・ハープ、そしてショパン:音楽と神話の交差点 - 第六章(最終章)
みなさん、こんにちは。昨日まで「序章」から「第五章」まで6回に渡って、「西風の神 ゼピュロス」についてお話ししてきました。ゼピュロスは「アネモイ」と呼ばれる四柱の神のうちの一人で、これら方角を司る神々は皆、星神アストライオスと暁の女神エーオスの子どもたちです。 今日は、特定の方角の風を司る「アネモイ」とは異なる神、「アイオロス」についてお話しします。「アネモイ」は特定の方角の風を司る神々で、一方「アイオロス」は風全般を司る神とされています。今日のブログのタイトルである「エオリアン・ハープ」の... 続きを読む
2024年2月3日
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楽園に吹く西風:音楽と神話の交差点‐第五章
クロード・ドビュッシーは19世紀から20世紀初頭のフランスの作曲家で、彼の革新的な作曲技法は西洋音楽の歴史における重要な転換点となりました。彼の音楽は従来の調性や形式を超えて音楽の色や質感に焦点を当てることで知られています。これは彼が自然や詩、美術などから多大な影響を受けた結果であり、その結果彼の音楽はしばしば印象主義と呼ばれます。 ドビュッシーの「西風の見たもの」はピアノの前奏曲集第1集の第7曲です。この曲はアンデルセンの童話「楽園の庭」に登場する西風の神ゼフィロスの荒々しい冒険を音楽に表現し... 続きを読む
2024年2月2日